重賞ウィナーレポート

2023年10月22日 金沢シンデレラC(中央認定) GDJ

2023年10月22日 金沢競馬場 晴 重 ダ 1500m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:シトラルテミニ

プロフィール

生年月日
2021年02月26日 02歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:5戦2勝
総収得賞金
21,390,000円
インカンテーション
母 (母父)
スプリングキャロル  by  クロフネ(USA)
馬主
高岡 浩行
生産者
ファーミングヤナキタ (門別)
調教師
田中 淳司
騎手
田中 学
  • シトラルテミニの母スプリングキャロル
    シトラルテミニの母スプリングキャロル
  • シトラルテミニの半弟(牡当歳、父バゴ)
    シトラルテミニの半弟(牡当歳、父バゴ)
  • シトラルテミニの半弟と生産者の柳北隆法さん
    シトラルテミニの半弟と生産者の柳北隆法さん
  • ファーミングヤナキタで今年一番最後に生まれた当歳とその母
    ファーミングヤナキタで今年一番最後に生まれた当歳とその母
  • ファーミングヤナキタの当歳放牧地
    ファーミングヤナキタの当歳放牧地
  • ファーミングヤナキタの繁殖放牧地
    ファーミングヤナキタの繁殖放牧地
  • ファーミングヤナキタの厩舎
    ファーミングヤナキタの厩舎

 『グランダムジャパン2023』2歳シーズンの第2戦「金沢シンデレラカップ(金沢)」は、ホッカイドウ競馬から遠征したシトラルテミニが好位追走から4コーナーで先頭に立ち、そのまま押し切って2馬身差の完勝。4回目の重賞挑戦にして、待望のタイトルを手にした。

 シトラルテミニは、門別競馬場の近くに牧場を構えるファーミングヤナキタで誕生。先代の父が1989年に創業した牧場を、現代表の柳北隆法さんが手伝い始めて20年ほどになる。代替わりした今はご夫婦2人で経営。リンクスターツで制した昨年の新緑賞(笠松)以来となる重賞勝利に「スピードがあるのは分かっていたので、うまく押し切ってくれたらいいなと思っていました。その前の園田プリンセスカップが惜しかったので、あの感じで走れば勝ってくれるかなと思って見ていました。初仔がいきなり重賞を勝ってくれて、この後も期待できるかな」と柳北さんは穏やかに笑みをたたえた。

 母のスプリングキャロルは、15町歩ある放牧地でのんびり繁殖生活を送っている。他の馬たちが走り出しても気にせず、1頭でゆっくりと草を食んでいる。「マイペースなんですよ。根性があるというか、馬の中に入っても動じない。だからといって、『自分が自分が』と主張するわけでもない。産駒たちもそう」と母馬を紹介。スプリングキャロルは現役時代、410~430kgで走っていた小柄な馬だが、精神的な芯の強さを持っているようだ。産駒にもその特徴は引き継がれており、「シトラルテミニは小さい頃から肝が据わっていた。ちょっとやそっとじゃビクッとしないし、手もかからなかった。園田、金沢、笠松と遠征してもあれだけ走れるんだから、すごくタフですよね」と、柳北さんは強靭な精神力を持つインカンテーション産駒に誇らしげだ。

 スプリングキャロルは初仔としてシトラルテミニを産んだ後、2度続けてバゴの子を出産。2番子は牝馬、3番子は牡馬だが、産駒はすべて母に似ているという。「雰囲気は一緒。母親が小柄なのでシトラルテミニも小さく生まれたけど、ぐんぐん成長してくれた。2番目も3番目も同じような成長過程でした」と振り返る。現在はオメガパフュームの仔をお腹に宿しており、来年1月後半に出産予定だ。「スプリングキャロルはクロフネの肌だけど、これまで芦毛の産駒が1頭も生まれていないので、今度は芦毛の仔が出てこないかな」と来年を楽しみに待つ。

 毎年、13~14頭の仔が生まれてくるファーミングヤナキタだが、「バランスが良くて、雰囲気があった。あの世代で一番走るんじゃないかと思っていた」と柳北さんが話すように、シトラルテミニは牧場時代からひと際輝いていたようだ。デビュー戦から3戦は牧場からすぐ近くの門別競馬場でのレースだったため、現地に足を運んで声援を送ったという。

 「現地で見るのはやっぱり全然違いますよ。この仕事をやっていて、目の前で生産馬が勝ってくれた時に一番喜びを感じます。それが平場でも重賞でも、どんなレースでも勝ってくれたら最高だし、一生懸命走って無事に帰ってきてくれるのがうれしいんです」と生産者ならではの胸の内を明かす。生き物相手の大変な仕事だが、“我が子”ともいえる生産馬が懸命に走る姿を見て、また強い馬づくりへのモチベーションを高めているようだ。「シトラルテミニはすごくタフだし、3歳になっても楽しみ」と、来年に向けて柳北夫妻の期待は大きく膨らんでいる。