重賞ウィナーレポート

2023年11月03日 JBCクラシック(中央交流) Jpn1

2023年11月03日 大井競馬場 晴 良 ダ 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:キングズソード

プロフィール

生年月日
2019年04月04日 04歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:13戦7勝
総収得賞金
314,491,000円
シニスターミニスター(USA)
母 (母父)
キングスベリー  by  キングヘイロー
馬主
(株) ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン
生産者
日進牧場 (浦河)
調教師
寺島 良
騎手
J.モレイラ

 2023年11月3日、農林水産大臣賞典第23回JBCクラシック(Jpn1)が大井競馬場ダート2000m(良)10頭立てで行われた。勝ったのは単勝オッズ7.4倍の4番人気に支持されていた日進牧場(浦河町)の生産馬で4歳牡馬キングズソード(父シニスターミニスター、母キングスベリー)。1番人気で春の帝王賞(Jpn1)優勝馬メイショウハリオ、2番人気で昨年に続いて連覇を狙うテーオーケインズらを抑えて重賞初勝利を、ダート競馬の祭典JBCクラシック(Jpn1)という華やかな舞台で、しかも3連勝で飾った。

 鞍上はJRA短期免許で来日中ジョアン・モレイラ騎手。管理調教師はJRA栗東所属の寺島良調教師。モレイラ騎手は外国人として初めてJBCシリーズの優勝騎手となった。

 キングズソードの生まれ故郷は、1962年創業の日進牧場。古くは1977年の天皇賞(秋)優勝のホクトボーイ、1985年の皐月賞(G1)、菊花賞(G1)及び87年の天皇賞(春)(G1)を制したミホシンザン、1999年の高松宮記念(G1)優勝馬マサラッキなどを輩出している名門の老舗牧場である。

 レース当日、同牧場の谷川彰久代表は大井競馬場で愛馬優勝の瞬間を見届けたそうだ。「砂が白いものに変わっていましたが、JRAの砂より重い感じに思えました。こうしたコースもこの馬には合っていたのかもしれません」と感想を述べ「発表された馬体重は12kg増でしたが、筋肉も引き締まっており状態は良さそうに思えました。阿蘇ステークスのあとは、宇治田原優駿ステーブルでリフレッシュ放牧させてもらっていました。厩舎サイドはみやこS(G3)あたりを考えていたようですが、賞金的にもここに出走できそうだということで、目標を切り替えたと聞いています。しっかりと時間をかけることができたことが、今回の結果につながったと思います。手をかけてくださったすべての方々に感謝したい」と笑顔で話してくれた。

 ジャパンダートダービー(Jpn1)の優勝馬で、昨年の東京大賞典(G1)2着だったノットゥルノに4馬身。「ゴール前では比較的、冷静だった自分がいました。それでも昨年の覇者テーオーケインズやメイショウハリオというダート王者がいるなかでの勝利は嬉しかったです。光栄なことですね。また馬をつくる牧場にとっても大きな自信になりました」と満足そうに語り「キングズソードはまだ4歳ですので、まだ強くなってくれると思います。白砂に光があたって馬がキラキラ輝いていました」と白い歯を見せた。

 母系は1907年に小岩井農場が英国から輸入したアストニシメントにさかのぼり、代々日進牧場で育まれたリードガール系。1980年の菊花賞3着タカノカチドキや1991年東京新聞杯(G3)に勝ったホリノウイナーを送るファミリーで、全兄には2017年のプロキオンS(G3)に勝ったキングズガードがいる血統。

 「全兄キングズガードもJRA重賞を勝ってくれました。母キングスベリーの2番仔のキングズガードも、8番仔の本馬も、幼い頃は“エピソードが無いのがエピソード”というくらいこれといった癖も特徴もなく自然に順調に育ってくれました。どちらかというと弟ソードの方が伸びがあってシニスターミニスターに似ていたかもしれませんし、メンタル面も頑強で、どっしりした印象でした。モレイラ騎手がペースを判断して前々でレースを運んでくれたのも大きかったと思います。今は世界が近くなってきていますが、まだ4歳馬でありますし、まず国内で彼の地位を確立してほしいという気持ちがあります。いずれにしても今後が本当に楽しみです」と夢を広げている。

 レース後は、前走同様に宇治田原優駿ステーブルでリフレッシュ放牧を挟み、同じ大井競馬場で行われる東京大賞典(G1)への出走を予定しているという。