重賞ウィナーレポート

2023年11月05日 AR共和国杯 G2

2023年11月05日 東京競馬場 晴 良 芝 2500m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ゼッフィーロ

プロフィール

生年月日
2019年02月05日 04歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:12戦5勝
総収得賞金
159,458,000円
ディープインパクト
母 (母父)
ワイルドウインド(GER)  by  Danehill Dancer(IRE)
馬主
(有) 社台レースホース
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
池江 泰寿
騎手
J.モレイラ

 3度目の重賞挑戦となるアルゼンチン共和国杯(G2)で、待望の重賞初制覇を果たしたのは、社台ファームの生産馬であるゼッフィーロ。これまでの12戦において5勝、2着、3着ともに3回と複勝圏が非常に高いだけでなく、3着以下に敗れたのも今年の目黒記念(G2)の4着だけと、掲示板を外さない堅実な走りを見せてきた。

 その堅実さに加えて、コンスタントに競馬を使われてきた丈夫さは、牧場時代の姿からも発揮されていたと、社台ファームの東礼治郎場長は話す。

 「幼少期から本当に丈夫な馬で、夜間放牧でも常に外に出ていたような健康優良児でした。まさに皆勤賞ものですね」(東場長)

 その健康ぶりは騎乗育成でも発揮されていっただけでなく、騎乗調教の動きも高い評価を受けていく。

 「加速センスのある動きをしており、上手く走れてはいたものの、その一方で全体的には走りにマイルドもあったので、それがワイルドさに変わっていけばいいと思っていました」(東場長)

 デビューは3歳2月のメイクデビュー中京と遅くはなったものの、そこで初勝利をあげたあとは、ほぼ、1か月に1走のペースでレースを使われていく。6月に中京で行われた1勝クラスで2勝目をあげると、7月に小倉競馬場で行われた高千穂特別で3勝目をあげる。

 その後は休養に入ったものの、今年1月の寿Sで復帰を果たすと、3月の御堂筋Sを勝利してオープン入り。先述した目黒記念(G2)だけでなく、オールカマー(G2)でも重賞の常連馬たちを相手に3着入着を果たす。

 走りにマイルドさからワイルドさが現れ始めたゼッフィーロの能力を、更に引き出したのが、香港のトップジョッキーで、日本でも幾多の馬を重賞へと導いたモレイラ騎手であった。

 前日の土曜日には6勝、この日もアルゼンチン共和国杯(G2)まで3勝をあげていたモレイラ騎手は、後方で脚を溜めていくと、直線ではスペースを割って出てくる「ワイルド」なレースをゼッフィーロにさせていく。勝ち時計の2分29秒9はレースレコードタイとなる好時計であり、強さと速さを備えた競走馬であることを証明してみせた。

 「前走はスペースに入る際に躊躇が見られたようですが、今回はそこに割って入っただけでなく、インからスパっと抜けて会心の勝利でした。次走の香港でも好レースを期待しています」と東場長。その言葉にもあるように、次走は香港ヴァーズ(G1)となっているが、そこでもワイルドさ溢れるレースぶりで、一気にG1タイトルを奪取してもらいたい。