重賞ウィナーレポート

2023年08月13日 小倉記念 G3

2023年08月13日 小倉競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:エヒト

プロフィール

生年月日
2017年05月09日 06歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:26戦6勝
総収得賞金
197,513,000円
ルーラーシップ
母 (母父)
ヒーラ  by  ディープインパクト
馬主
平井 裕
生産者
白井牧場 (門別)
調教師
森 秀行
騎手
川田 将雅

 夏の小倉開催を代表する3歳馬以上による中距離ハンデ重賞で、またサマー2000シリーズ第3回「第59回小倉記念(G3)」は8月13日、小倉競馬場で行われ、川田騎手騎乗の3番人気エヒトが好位追走から早めに先頭に立ち、そのまま後続の追撃を振り切って先頭ゴールイン。1分57秒8(良)で優勝した。通算成績は27戦6勝2着3回3着3回(重賞2勝)。

 管理する森秀行調教師にとっては今年7月のCBC賞(G3)(優勝馬ジャスパークローネ)以来の重賞勝利で通算50勝目。鞍上の川田将雅騎手にとっては5月のオークス(G1) (同リバティアイランド)以来の重賞勝利で通算125勝目。父ルーラーシップにとっては6月のマーメイドS(G3) (同ビッグリボン)以来の重賞勝利で通算28勝目となった。

 エヒトの生まれ故郷は1970年創業の白井牧場(日高町)。広い放牧地、そして屋根付坂路コースに1周1200mのダートトラックコースなどを備え、生産から育成、後期調教までを行う総合牧場だ。これまで、その歴史の中で2000年の桜花賞(G1)優勝チアズグレイスや高松宮記念(G1)2着ハクサンムーン、1989年天皇賞(春)(G1)2着ミスターシクレノンなどを送り出している。

 レース当日、同牧場の白井岳社長は、開催中の札幌競馬場で小倉競馬場に出走する愛馬を応援していたそうだ。

 「連覇を狙った前走の七夕賞(G3)も実績のある右回りコースということで期待していたのですが、サウジアラビア遠征帰りの1戦で難しい面があったようです。今回は、実戦を1度使われて状態も上がっていると思っていましたが、それにしても強い馬たちを相手に58kgのハンデを背負って、強い競馬をしてくれたと思います。次につながるような内容だった思います」と笑顔を広げた。

 母ヒーラも白井牧場の生産馬だ。「ディープインパクト産駒の母ヒーラは3歳春にはチューリップ賞(G3)にまで駒を進め、最終的にはJRAで3勝を挙げてくれた馬なのですが、現役時代の最高馬体重が430kg台と馬格に恵まれない馬でした。エヒトはその初仔です。バランスの良い馬で、放牧地などの動きからも瞬発力、バネを感じさせる馬でした」と当時の印象を思い出してくれた。その思いは育成に入ってからも変わることなく「乗り出すと、思っていた通りの柔らかい動きをするようになり、特にフットワークの良さが目立っていた馬でした」とのこと。さらに「この馬に適したようなレースを選びながら、大事に使っていただいたことが、現在につながっていると思います。生産牧場としては本当に嬉しいこと」と関係者に対して感謝の言葉を続けた。

 「長くお世話になっているオーナーに初めて重賞タイトルをもたらしてくれた馬です。これからは相手も強くなると思いますが、とにかく無事に、これからもこの馬らしい競馬を期待したいと思います」とエールを送っている。