重賞ウィナーレポート

2023年09月17日 ローズS G2

2023年09月17日 阪神競馬場 晴 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:マスクトディーヴァ

プロフィール

生年月日
2020年05月12日 03歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:4戦3勝
総収得賞金
168,292,000円
ルーラーシップ
母 (母父)
マスクオフ  by  ディープインパクト
馬主
(有) 社台レースホース
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
辻野 泰之
騎手
岩田 望来

 その時、マスクトディーヴァは、世界で最も早く芝1800mを駆け抜けた競走馬となった。

 今年は17頭立てで行われた、秋華賞(G1)トライアルのローズS(G2)。7番人気のマスクトディーヴァは、前半の1000m通過が57秒3という速い流れを中団から追走していく。最後の直線では馬群の中団に進路を向けると、そこから上がり33秒2の末脚を使い、後ろから迫ってきたブレイディヴェーグを1馬身半差振り切って優勝する。

 勝ち時計の1分43秒0は、JRAにおける芝1800mのレコード(エスコーラが21年7月に小倉競馬場でマークした1分43秒8)を更新しただけでなく、1991年にコストロマがサンタアニタ競馬場で記録した1分43秒4の世界レコードも更新した。

 「5月(12日)生まれで小さい馬でしたが、コロンとした丸みのある体型は、この牝系の特徴が出ていた一方で、ルーラーシップ産駒らしい肩の柔軟性は、当歳期から目立っていました」とは社台ファームの寺井貴繁殖主任。母のマスクオフはスワンS(G2)、セントウルS(G3)、京都牝馬S(G3)と3つの重賞勝ちを含めて10勝をあげたビハインドザマスクの6番仔であり、現役時は5戦1勝ながらも、3番仔のトゥーフェイスが4勝をあげるなど、この牝系の発展に一役も二役も買っている。

 「母は優しく子育てしてくれたのですが、マスクトディーヴァは何かの拍子にスイッチが入ってしまうことがあり、その時には自分より馬格が大きな相手にも、向かっていく気の強さが見られました」(寺井繁殖主任)

 その時の走りは馬体のサイズからは想像できないような存在感があったというが、それはマスクトディーヴァがローズS(G2)の直線で見せた、ダイナミックな走りと重なっているのかもしれない。

 3歳のメイクデビュー中京を勝った後は、その3か月後に行われた忘れな草賞で7着。次は2か月後の3歳1勝クラスを勝利して、そこから3か月を空けて臨んだローズS(G2)となったが、馬体重からすると、そこまでの成長は感じられ無くとも、圧倒的なスピード能力を示したレース内容を見ると、確実に成長を遂げているのだろう。

 「血統的にも本格化はまだまだ先だと思っていた中での、このレース内容には驚かされています。秋華賞(G1)での走りもそうですが、これから先の活躍が本当に楽しみです」と寺井繁殖主任。強豪ひしめく今年の秋華賞(G1)だが、世界一に輝いたスピードを武器に、ここでも一発を狙っていく。