重賞ウィナーレポート

2023年09月02日 札幌2歳S G3

2023年09月02日 札幌競馬場 曇 稍重 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:セットアップ

プロフィール

生年月日
2021年04月06日 02歳
性別/毛色
牡/青鹿毛
戦績
国内:3戦2勝
総収得賞金
39,764,000円
デクラレーションオブウォー(USA)
母 (母父)
スリーアロー  by  アルデバランⅡ(USA)
馬主
嶋田 賢
生産者
フジワラフアーム (静内)
調教師
鹿戸 雄一
騎手
横山 武史

 ジオグリフやソダシなど過去の優勝馬の中から多くのクラシックウィナーを送り出している「札幌2歳ステークス(G3)」が9月2日札幌競馬場芝1800mで行われ、新ひだか町のフジワラファーム生産で北海道市場セレクションセール取引馬セットアップ(牡2歳、美浦・鹿戸雄一厩舎、横山武史騎手)が優勝した。

 フジワラファームは1958年創業。生産、中期育成に加えて1周600mの屋内ダートトラック、1200mのウッドチップ坂路馬場とウォーキングマシンなどを備えて調教育成と休養も兼ねる総合牧場だ。同牧場生産馬のJRA重賞制覇は20年フィリーズレビュー(G2)(優勝馬エーポス)以来。同じ20年5月にはワイドファラオによるかしわ記念(Jpn1)優勝も記録している。

 同牧場で生産、そして育成されたセットアップは7月9日の函館競馬場芝1800m新馬戦でデビュー。その初戦は評判馬レガレイラの2着だったが、続く8月19日の札幌競馬場芝1800m戦で初勝利。デビュー3戦目で重賞ウィナーの仲間入りとなり、日本軽種馬協会静内種馬場で種牡馬生活を送るデクラレーションオブウォーにとっても本邦産駒の重賞2勝目となった。

 同牧場の藤原俊哉代表は「私は長らく日本軽種馬協会の理事を務めてきたこともあって、同協会種牡馬には特別な思いがあります。セットアップの場合は、その母スリーアローも同協会所有アルデバランⅡの産駒ですから、今回の勝利は嬉しいと同時に、責任を果たせたという思いです。それはセレクションセールで高く評価いただいた嶋田オーナーに対しても同じで、この勝利に嬉しく、本当にホッとしています」と喜びを表現した。その言葉の裏側には、せりが好調だからこそ結果を出さなければならないという思いが読み取れる。

 母系は1997年にフジワラファームが導入したストームザミントにさかのぼる。「米国キーンランド社のミックスセールで購入した馬です。落札したまではよかったのですが、その直後に北海道拓殖銀行が経営破綻し、冷や汗をかいたのも今となっては思い出のひとつです」と苦笑い。

 牧場時代のセットアップは「柔軟な筋肉をもち、性格も非常に素直な馬でしたが、どちらかと言えば成長がゆっくりという馬でした。セレクションセールの実馬検査、そしてせり当日もギリギリ間に合ったという印象ですが、高く評価いただいたことに感謝します。それでも、育成に入るころには当初の期待どおりに成長してくれましたので自信をもって送りだしましたし、レース当日のパドックでもとても良い状態に見えました。血統的に、荒れた馬場もこなしてくれると思っていましたので、期待を込めて応援させてもらったのですが、その期待に応えてくれて嬉しかったです」

 そんな藤原氏は「2歳シーズンの最終目標を12月の朝日杯フューチュリティS(G1)にするのか2000mのホープフルS(G1)になるのか。嶋田オーナーと鹿戸調教師の判断になりますが、いずれにしても今後が本当に楽しみです」と楽しみを広げている。