2023年05月28日 目黒記念 G2
優勝馬:ヒートオンビート
プロフィール
- 生年月日
- 2017年03月24日 06歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:24戦5勝
- 総収得賞金
- 287,696,000円
- 馬主
- (有) 社台レースホース
- 生産者
- 社台ファーム (千歳)
- 調教師
- 友道 康夫
- 騎手
- D.レーン
今年の日本ダービー(G1)で1番人気を背負っていたのは、前走の皐月賞(G1)を制していた、社台ファーム生産馬のソールオリエンスだった。だが、先に抜け出したタスティエーラを取れられずにクビ差の2着に敗退。だが、その敵討ちとばかりに続く12レースの目黒記念(G2)に出走した、同じく社台ファーム生産馬のヒートオンビートが、デビューから24戦目、11度目の重賞挑戦で初タイトルを掴み取った。
「人気にも推されていただけに、ダービー(G1)の直後は立ち直れないくらいのショックでした。ただ、その1時間後には大きな声を出して、ヒートオンビートの応援していたわけですから、競馬の結果に疲れながらも、競馬の結果に救ってもらいました」とは社台ファームの千葉英昭繁殖主任。社台レースホースの募集馬でもあったヒートオンビートは、父がリーディングサイアーにも輝いたキングカメハメハで、母のマルセリーナは桜花賞(G1)とマーメイドS(G3)を優勝。半兄のラストドラフトは京成杯(G3)を勝利しており、祖母に当たるマルバイユは、仏のアスタルテ賞(G1)を優勝しているという良血ファミリーでもある。
「当歳時は線が細かった上に、飼い葉もゆっくりと食べるタイプであり、なかなかボディコンディションが上がりづらかった印象があります」(千葉繁殖主任)
現在の出走体重である470~80kgほどの馬体からすると、その頃の姿は想像できないが、ヒートオンビートはその前向きさで、放牧地では自分より大きな馬たちに揉まれながら馬体を成長させていき、そして、血統内に秘めた良血を開花させていった。
初勝利はデビュー5戦目の3歳未勝利戦と遅くはなったものの、そこからは掲示板を外さない安定した走りでクラスを上げて行き、初めての重賞挑戦となる、4歳時の目黒記念(G2)で2着に入着。その後もチャレンジC(G3)と七夕賞(G3)で2着、中山金杯(G3)、日経賞(G2)、アルゼンチン共和国杯(G2)では3着と、重賞戦線で活躍を見せていく。
6歳時を迎えた日経賞(G2)では6着と、久しぶりに掲示板を外したものの、好走実績のある目黒記念(G2)では、ダービージョッキーとなったD.レーン騎手の手綱捌きに応えるかのように、最後の直線では末脚を伸ばしていく。前にはディアスティマが逃げ込みを図るも、アタマ差捉えて優勝。繁殖牝馬となった母に再び重賞タイトルを授けてみせた。
「レースを使われながら、確実に強くなっていった印象でした。ここでようやく念願の重賞タイトルを獲れましたし、ここからはどんなレースでも勝ち続けてもらいたいです」(千葉繁殖主任)
目黒記念(G2)の後は十分な間隔を取り、秋初戦は京都大賞典(G2)に出走。4歳時は2番人気を背負いながら8着に敗れているが、今のヒートオンビートならば、重賞連勝も可能ではないかという気もしてくる。