2023年05月11日 のじぎく賞(GDJ)
優勝馬:スマイルミーシャ
プロフィール
- 生年月日
- 2020年04月23日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/青鹿毛
- 戦績
- 国内:6戦5勝
- 総収得賞金
- 102,450,000円
- 母 (母父)
- クリスマドンナ by シンボリクリスエス(USA)
- 馬主
- 松野 真一
- 生産者
- 猿橋 義昭 (荻伏)
- 調教師
- 飯田 良弘
- 騎手
- 吉村 智洋
『グランダム・ジャパン2023』3歳シーズン第7戦の「のじぎく賞(園田)」を5馬身差で圧勝したスマイルミーシャが、『ダービーシリーズ2023』第5戦の「兵庫ダービー(園田)」も牡馬相手に3馬身差の完勝。一冠目の菊水賞で敗れたベラジオソノダラブを直線で突き放し、2013年のユメノアトサキ以来10年ぶりの牝馬による兵庫ダービー制覇をなし遂げた。
スマイルミーシャの生まれ故郷は、浦河町の猿橋義昭牧場。牝馬ながらに日経新春杯(G2)を制するなどJRA重賞4勝を挙げたエルカーサリバーの生産者で、現役の生産馬では昨年のサウジアラビアロイヤルカップ(G3)で大逃げを打って2着に粘ったグラニット(牡3)や、芝単距離で3勝を挙げているクムシラコ(牡5)などがJRAで活躍中だ。
「スマイルミーシャはデビューから4連勝で2歳重賞を制しましたが、『これはただ者ではないぞ』と思ったのは久々のレースとなった3歳初戦の菊水賞で、マイナス20kgの馬体重ながら牡馬相手に2着した時ですね。ですから、牝馬同士となるのじぎく賞は『負けることはないだろう』と思って気楽に見ていられました。逆に兵庫ダービーはベラジオソノダラブにびっしりマークされていましたから『まずい展開だな…』と道中ヒヤヒヤしたのですが、直線に入ると突き放しましたもんね。吉村騎手が完全に手の内に入れていて、強い勝ち方をしてくれたと思います」と猿橋さんは、ここまでのスマイルミーシャの蹄跡を振り返る。
「スマイルミーシャは生まれた時から体が大きくて、男勝りな馬でした。母の父に入るシンボリクリスエスの雄大さが出た印象でしたね。肌を触ると柔らかく、他の馬とは何かが明らかに違っていました」と幼少期のスマイルミーシャを思い出し、「母のクリスマドンナは疝痛をよく起こす馬で、腸の手術をしたこともあったんです。スマイルミーシャを産んだ2~3日後にも疝痛を起こして倒れ込み、危うく仔が下敷きになるところでした」と生まれた直後のエピソードを話してくれた。
スマイルミーシャの牝系は、猿橋さんが米国のせりで手に入れたオールモストフォーエヴァーに遡る。「近親にシルクプリマドンナやヘヴンリーロマンスなど日本で活躍している馬が多くいたので、日本の競馬に合いそうだと思って購入しました」と話し、その仔クリスマドンナにカレンブラックヒルを交配した理由については、「昔、オールモストフォーエヴァーにダイワメジャーを交配して生まれてきた仔の出来がすごく良かったんですよ。それで、ダイワメジャー産駒のカレンブラックヒルを種付けしてみようと思ったんです」と教えてくれた。
「地方であっても、その競馬場で世代ナンバーワンになるというのは凄いことですからね。地元でこれだけ強いと、他の競馬場でどんな走りをするかも見てみたくなります。そしてダートグレードでJRAの馬相手にどの程度通用するか…、夢が膨らみますね」と満面の笑顔を浮かべる猿橋さん。昨年のNARグランプリ年度代表馬に輝いたイグナイターにつづき、また兵庫競馬から全国レベルの馬が出てきそうな予感がする。