2023年03月30日 若草賞土古記念(GDJ)
優勝馬:サラキャサリン
プロフィール
- 生年月日
- 2020年03月25日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:11戦5勝
- 総収得賞金
- 23,512,000円
- 馬主
- 村上 博將
- 生産者
- 村上牧場 (新冠)
- 調教師
- 新井 隆太
- 騎手
- 松木 大地
『グランダム・ジャパン2023』3歳シーズンの第2戦は「若草賞土古記念(名古屋)」。2014年以降は1400mで行われてきたが、2022年4月の名古屋競馬場移転に伴い、旧競馬場の所在地である土古(どんこ)が新たに名称に加えられ、距離も1500mに延長された。その〝新生〟若草賞土古記念を制したのは、単勝1.6倍の人気を集めた兵庫のサラキャサリン。スタートで先手を奪うと後続を寄せ付けず、4馬身差をつける逃げ切り勝ち。兵庫クイーンセレクションにつづく重賞2連勝を飾った。
サラキャサリンが生まれたのは新冠町の村上牧場。サラブレッド銀座に位置し、出身馬にはアラブのセイユウ記念(1993~1995年)を3連覇したシゲルホームランや、2003年の兵庫ジュニアグランプリ(G3)を勝ったタイセイブレーヴ、2018年のエーデルワイス賞(Jpn3)を制したアークヴィグラスなどがいる。
せりのタイミングで体調が整わず、生産者自らの所有馬として競走生活を送ることになったサラキャサリン。「カッとなりやすい気性なので息を入れずに走るところがあって、今回は距離が100m延びてどうだろう…と思っていました。最後はちょっと脚があがり気味でしたが、自分の競馬をしたという感じですね。重賞はなかなか獲れるものじゃないから嬉しいです」と生産者の村上博将さんは声を弾ませ、「レースの格にかかわらず、生産馬が勝ってくれると嬉しいんですよ」と表情を緩める。応接室に飾られた生産馬の口取り写真や記念品などを目にすることが、日々の仕事の励みになっているそうだ。
サラキャサリンの母フジヤマサクラは、同じサラブレッド銀座にある飛渡牧場から譲り受けた繁殖牝馬。村上牧場に移ってきてから9頭の産駒を生み、今年の5月上旬には父ゴールドドリームの仔を出産予定。「サンデーサイレンス系の血が入っていないので、いろんな馬を配合しやすい」と、当初はさまざまな種牡馬を試したそうだ。南関東でデビューして3連勝でハイセイコー記念を制し、9歳となった今年も高知競馬で元気に走りつづけている半兄のミサイルマンはカネヒキリとの配合で生まれた馬。「薄手の馬でしたけど、あれだけ走ってくれたら」と目を細める。
毎年違う種牡馬とかけ合わせてきたが、2017年に生まれたコーラルプリンスからサラキャサリンまでは「産駒を見ても形が良く、配合が合う」と4年連続でエスポワールシチーを配合した。「きょうだいでも体型がそれぞれ違っています。幅は同じくらいだけど、ひとつ上の姉のサラヘレンの方が胴が長め。そのぶん距離がもつのか、1600mや1700mを使っていますね」と話す。最初にエスポワールシチーを配合した2016年は種付料が受胎条件50万円だったが、産駒が好成績をあげるとともに種付料もアップ。2022年にはNARチャンピオンサイアーとなり、今年の種付料は180万円にまで上昇している。ここ2年は同じゴールドアリュール系のゴールドドリームを配合。2017年にJRA最優秀ダート馬に輝いた王者を父に迎え、現1歳の牝馬や今年生まれてくる仔がどんな馬に育っていくか楽しみだ。
重賞2連勝中のサラキャサリンは次走、のじぎく賞(園田1700m)で距離延長に挑む。「前回が9キロ減だったので、相談して少し間隔を空けることにしました。道中でもう少し落ち着いて走り、最後にもうひと脚残せるようになってくれれば」とオーナーブリーダーはさらなる成長を望んでいる。