2023年03月19日 阪神大賞典 G2
優勝馬:ジャスティンパレス
プロフィール
- 生年月日
- 2019年04月12日 04歳
- 性別/毛色
- 牡/青鹿毛
- 戦績
- 国内:9戦4勝
- 総収得賞金
- 686,878,000円
- 母 (母父)
- パレスルーマー(USA) by Royal Anthem(USA)
- 馬主
- 三木 正浩
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 杉山 晴紀
- 騎手
- C.ルメール
有馬記念(G1)以来のレースとなった阪神大賞典(G2)を快勝。しかも、その有馬記念(G1)と菊花賞(G1)では先着を許していた、ボルドグフーシュを破っての勝利は、ジャスティンパレスの確かな成長力を感じさせた。
「有馬記念(G1)の後はこのレースを目標にしていたそうですが、ノーザンファームしがらきと厩舎とで、話し合いをしながら状態の確認と、レースに向けてのプロセスを相談しながら、しっかりと仕上げてきたと聞いていました」とは育成を手掛けたノーザンファーム空港の伊藤隆行厩舎長。古馬とは初めての対戦となる有馬記念(G1)では7着に敗れていたものの、それでも精神面を含めて成長が見られたとの話も関係者から耳にしていた。
ジャスティンパレスは2歳時にホープフルS(G1)で2着に入着。牡馬三冠全てのレースに出走しているが、その中でも最高位となったのが3位となった菊花賞(G1)である。競走生活を振り返っていくと、今回の勝利はステイヤーとしての才能が開花したのではとも思えてしまうが、伊藤厩舎長は心身の成長がこの勝利に繋がったと分析する。
「2歳時から活躍をしてくれてはいましたが、それでも本当に良くなるのは古馬になってからだと思っていました。今回の走りを見ても、ようやく身体と気持ちの面がフィットしだしたように思えます」(伊藤厩舎長)
この阪神大賞典(G2)は有馬記念(G1)からプラス16kgでの出走となったが、パドックで周回する姿よりも、本馬場に出てからの姿に伊藤厩舎長は目を奪われた。
「ルメール騎手が跨った瞬間に、馬が膨らんだような感覚を覚えました。一歩目をゆったりと降ろしながらも気持ちを切らすことなく、それでいながら、馬の気持ち任せには走らせていなかった姿を見た時に、これならば、自分の力を出し切れるのではと期待も膨らみました」(伊藤厩舎長)
ジョッキーの腕が反映されるという長距離戦であるが、まさにルメール騎手の手綱捌きの上手さに、ジャスティンパレスも答えたレースとなった。
スタートから好位に付けると、そのまま折り合いをつけていきながら、最後の直線では上がり最速となる34秒2の末脚を使って勝利。直線では1kg斤量が軽いボルドグフーシュを、1馬身3/4振り切った走りはまさに完勝だった。
「さすがクリストフ!といったレースでした。世界のトップジョッキーの騎乗をこの舞台で見せてくれました。ゲートがそれほど良くない馬ですが、あれほどのスタートを切ってもらいましたし、極端なスローペースでも折り合いを欠くことなく、勝負所でふわっとするあたりでも上手くコンタクトを図ってくれました」(伊藤厩舎長)
最後の直線で勝ちを確信したという伊藤厩舎長であるが、この勝利を踏まえた上で天皇賞(春)(G1)での更なる好走も期待できるようになっている。
「天皇賞(春)(G1)を見据えた中でしっかりと勝つことが最初の課題でした。この勝利を見ても全く不安の無い状態かつ、更に状態を上げて本番に臨めそうです」(伊藤厩舎長)
「それでも本当に良くなるのはまだ先ですね」と伊藤厩舎長は言葉を付け加える。真の完成を迎えたジャスティンパレスが、どれほどのレースを見せるのか楽しみでならないが、その際に天皇賞(春)(G1)での勝利は、名馬の通過点となっているのかもしれない。