重賞ウィナーレポート

2022年12月18日 朝日杯フューチュリティS G1

2022年12月18日 阪神競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ドルチェモア

プロフィール

生年月日
2020年02月21日 02歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:3戦3勝
総収得賞金
111,540,000円
馬主
(株) スリーエイチレーシング
生産者
下河辺牧場 (門別)
調教師
須貝 尚介
騎手
坂井 瑠星

 2歳マイル王決定戦「朝日杯フューチュリティS(G1)」が12月18日、阪神競馬場で行われ、坂井瑠星騎手騎乗の1番人気馬ドルチェモアが3番手のイン追走から最後の直線で先に抜け出し、後続の追い上げを退けた。新馬、サウジアラビアRC(G3)に続く、無傷の3連勝。最優秀2歳牡馬のタイトルを獲得した。

 ドルチェモアの生まれ故郷は日高町の下河辺牧場。1966年開場という長い歴史を持ち、生産、中期育成、そしてトレーニングまでを行う総合牧場だ。その歴史の中で2003年の三冠牝馬スティルインラブや04年オークス馬ダイワエルシエーロ、2017年の菊花賞馬キセキなどを送り出している。

 ドルチェモアの母アユサンも下河辺牧場生産で、2013年の桜花賞馬。母子2代連続G1勝利に牧場は沸き返った。

 この日、阪神競馬場で久しぶりに愛馬との対面を果たした下河辺行雄社長は「実際にレースを見るのは札幌の新馬戦以来。あのときはまだパドックで歩く姿もどこかソワソワしていたり、レースでも子供っぽさを残す部分がありましたが、キャリアを積んだ今回はずいぶんと大人になったなぁという印象を受けました」と堂々とパドックで周回を重ねる愛馬を心強く思ったという。

 「アユサンにとって5番目の子供になります。競走馬としても素晴らしい馬でしたが、繁殖牝馬としても子出しが良く、子育て上手な優等生。そういう意味では、祖母バイザキャットと似ているかもしれません。アユサンやドルチェモアのような大物も出してくれるし、平均点が高いファミリーです」と、2006年の米国繁殖牝馬で買い求めた馬から広がるファミリーに目を細めている。今年はドルチェモアの全きょうだいが生まれる予定だそうだ。

 「今回のレースで言えば、初騎乗となったジョッキーが完璧に導いてくれたと思います。G1競走ですから、これまでのレースに比べると相手も強くなっていたと思いますが、この馬の良いところを上手に引き出してくれたと思います」と笑顔を広げ「牧場での育成時代からそうでしたが、これまでの3戦を見て最大の武器はレースでのセンス。どんな競馬でもできそうで、これからが楽しみです。」とのこと。

 陣営からは、この春はNHKマイルC(G1)を目標にするということが発表されており、2月中旬に帰厩。現在は栗東トレーニングセンターで調教を積まれている。「もう(目標とするレースに出走するための)賞金的には十分かと思いますので、とにかく無事にレースを迎えてほしいと思いますし、この馬の力が十分に発揮できるようなレースになって欲しいと思います」と締めくくってくれた。