重賞ウィナーレポート

2023年02月19日 小倉大賞典 G3

2023年02月19日 小倉競馬場 晴 重 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ヒンドゥタイムズ

プロフィール

生年月日
2016年04月04日 07歳
性別/毛色
せん/鹿毛
戦績
国内:19戦6勝
総収得賞金
205,686,000円
ハービンジャー(GB)
母 (母父)
マハーバーラタ  by  ディープインパクト
馬主
有限会社シルク
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
斉藤 崇史
騎手
B.ムルザバエフ
  • 好天の元、2歳馬たちのトレーニングも進む
    好天の元、2歳馬たちのトレーニングも進む
  • 今年に入ってから、育成馬の重賞レースでの活躍が著しい
    今年に入ってから、育成馬の重賞レースでの活躍が著しい

 2018年の12月のメイクデビュー阪神から、数えること19戦目。ヒンドゥタイムズは7歳時の小倉大賞典(G3)でついに重賞初制覇を果たした。

 育成先となったノーザンファーム早来の木村厩舎だが、小倉大賞典(G3)当日の2月19日に出走した育成馬3頭が、全て勝利をあげていた。

 「この日はヒンドゥタイムズも含めて育成馬4頭が出走していました。ヒンドゥタイムズも重賞を勝てるとしたら、条件的にもここしかないと、レース前日にスタッフと話をしていましたし、流れ的にも4連勝を重賞制覇で達成してくれないかとも思っていました」とは木村浩崇厩舎長。今でこそ470kg台近辺でレースをしているヒンドゥタイムズであるが、育成時は華奢な馬だったと話す。

 「その頃は線の細くて牝馬のような馬でした。ただ乗り味は良かったように、能力の片鱗は感じさせていました」(木村厩舎長)

 その頃は気の強さはあれど、人の手を煩わせるような印象は無かったというヒンドゥタイムズは2歳の9月に本州へと移動。メイクデビュー阪神を勝利した後は続く京成杯(G3)で3着となるなど、安定したレースを続けていく。

 「同じ世代の育成馬にブラヴァスがいて、同じレースを走る機会もあったのですが、一度も先着できずにいました。ただ、ブラヴァスが新潟記念(G3)を勝ったときに、次はヒンドゥタイムズにもそんな機会が巡ってきたらいいなとも思っていました」(木村厩舎長)

 5歳時の大阪城Sでオープンを勝利し、重賞制覇は目の前まで近付いていたヒンドゥタイムズであるが、その頃から気性面の問題が出てくるようになった結果、陣営は去勢手術を行う。

 「斉藤先生からは使い詰めになると、ダグができない程に身体が堅くなるとも聞いていました。牧場の獣医師からも首の筋肉が緩むことで、身体の使い方が良くなる効果もあるらしく、実際に手術後の歩様はとてもスムーズになっていたとの連絡が斉藤先生からきました」(木村厩舎長)

 去勢に加えて、リフレッシュの効果もあったのか、ヒンドゥタイムズは6歳初戦となる小倉記念(G3)で10番人気ながら2着に入着。牧場から送り出す前の状態も良かっただけに、その結果を見た木村厩舎長は、改めてヒンドゥタイムズに重賞制覇の期待をいくようになる。

 京都大賞典(G2)では4着、チャレンジC(G3)では6着となるなど、重賞でも大崩れのしないレースを続けていく中、小倉コースとの相性の良さも証明されていたこの小倉大賞典(G3)では2番人気の評価を集めていた。

 「一生懸命に走ってくれている姿を、ファンの方にも応援してもらえたのではと思っています。京成杯(G3)で3着に来た時にはクラシックも沸かせてくれるのではとも思いましたが、結果的に去勢手術などもあって良くなるのを待てたことが、重賞制覇に繋がったとの思いもあります。じっくり進めることを指示してくださった斉藤先生や、時間をかけながら調整してくれたノーザンファームしがらきのスタッフにも感謝するだけです」(木村厩舎長)

 ゴール前では後方から追い込んできた、カテドラルの追撃をハナ差凌いでの勝利。幾多の重賞馬を送り出しているノーザンファームであるが、7歳セン馬の初重賞制覇はそうあることではない。

 「7歳の初重賞制覇は凄いと思います。先生からも『年齢を感じさせない程に馬も元気なので、今後も頑張らせていきます』との話も聞いていますし、重賞タイトルも1つとは言わず、2つも3つも勝ってもらいたいです」(木村厩舎長)

 次走は初めてのG1挑戦となる大阪杯(G1)を予定しているが、「堅実に走ってくれる馬なので、G1でも展開的にチャンスが回ってくるのではと期待をしています」と木村厩舎長。

 2017年からG1に昇格した大阪杯(G1)であるが、それ以降の6年間だけでなく、過去の歴史を振り返ってもセン馬の優勝馬はいない。7歳といっても大阪杯(G1)が20戦目と、使い減りしていないヒンドゥタイムズには、一発の予感も漂ってくる。