2023年02月18日 京都牝馬S G3
優勝馬:ララクリスティーヌ
プロフィール
- 生年月日
- 2018年03月09日 05歳
- 性別/毛色
- 牝/青鹿毛
- 戦績
- 国内:12戦6勝
- 総収得賞金
- 183,417,000円
- 馬主
- フジイ興産 (株)
- 生産者
- 土井牧場 (新冠)
- 調教師
- 斉藤 崇史
- 騎手
- 菅原 明良
牝馬限定の別定重賞「第58回京都牝馬S(G3)」が2月18日、阪神競馬場の芝1400mコースで行われ、先行勢を見るような位置でレースを進めた菅原明良騎手騎乗の2番人気ララクリスティーヌが、逃げ粘ろうとする1番人気ウインシャーロット、連覇を狙った内ラチ沿いを追い込んだ3番人気ロータスランドの追撃を退けて1分20秒4(良)で優勝。3度目の挑戦で重賞初勝利を記録した。
同馬の生まれ故郷は新冠町の土井牧場。今はもう廃線となってしまった日高本線の厚賀駅から川沿いに車で約30分ほどの距離にある。ここは、冬になれば氷点下20度という日も珍しくない地域だが、静かな山間に位置し、サラブレッドが伸び伸びと育つような環境にある牧場だ。土井さん一家は、もともとは兵庫県淡路島からの入植で、以前は稲作などをやっていたそうだが、軽種馬の生産に着手したのは昭和29年というから長い歴史を持つ牧場だ。現在は2代目当主の土井和則さんとその家族で生産活動を行っているが、日本軽種馬協会のJBIS-Searchによれば、記録に残るほとんどの年で生産頭数は5頭未満。無理に手を広げることなく「自分たちの目が行き届く範囲で」と丁寧な馬づくりを行っている。そんな中から1984年の阪神3歳S(G1)を勝ったダイゴトツゲキや、1995年の京成杯(G3)に勝ったマイティーフォース、岩手ダービーダイヤモンドCや不来方賞、北上川大賞典に勝ったライズラインなどを送り出している。ちなみに、ララクリスティーヌが生まれた2018年はわずか2頭が生産馬として登録されているのみだ。
ララクリスティーヌの母スーパーマダムは社台ファームの生産馬。JRAで1勝を挙げ、後に園田クイーンセレクションを勝つことになるアリアナティー(父ローエングリン)を受胎した状態で繁殖馬セールに上場されたところを土井さんによって落札された。近親にはオークス馬エリンコートがいるファミリーで、土井さんによれば「仔馬を大切にするお母さん」だそうだ。ミッキーアイルとの配合は「ディープインパクト後継種牡馬の中から、自分たちの手が届く範囲(の種付料)で」と選んだとのこと。私たちの牧場にいたのは当歳秋の離乳まででしたが、いつも元気に放牧地を走り回っているような、そんな馬でした」と牧場時代のエピソードを話してくれた。
レース当日は、種付け、出産シーズンということもあってテレビの前から応援していたという。「レースの前は、とにかく無事であってくれたらと思うのですが、レースが近づくとやっぱり勝って欲しいという思いになります。レース中は無我夢中だったのですが、スローVTRではわずかに出ているようにも見えました」と喜びを語り「ララクリスティーヌは北海道市場でオーナーから高い評価をいただいた馬。その期待に応えるような活躍は本当に嬉しいですが、今のこの馬がいるのは、斉藤調教師はじめこれまでかかわったすべての方々のおかげ」と感謝の言葉を述べ「ヴィクトリアマイル(G1)も牧場からの応援になると思いますが、まずは無事にレースを終えてほしいと願っています」と期待している。