2022年10月16日 秋華賞 G1
優勝馬:スタニングローズ
プロフィール
- 生年月日
- 2019年01月18日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:10戦5勝
- 総収得賞金
- 426,216,000円
- 馬主
- (有) サンデーレーシング
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 高野 友和
- 騎手
- 坂井 瑠星
京都競馬場の改修に伴い、昨年に引き続いて阪神競馬場での開催となった今年の秋華賞(G1)。牝馬三冠最後の1冠を目指す16頭のうら若き乙女が周回するパドックの傍らには、育成を手掛けてきたノーザンファームの鈴木俊昭厩舎長の姿があった。
「G1だけにどの馬も良く見えましたが、スタニングローズも力を出しきれる状態に映りました。特にトモがしっかりとしていて、牧場にいた頃はひょろっとしていた馬が、ここまで逞しくなるのかといった感慨も覚えました」(鈴木厩舎長)
このレースでは3番人気に支持されていたスタニングローズであるが、1番人気を集めたのは史上7頭目の牝馬三冠制覇を目指すスターズオンアース。2番人気にはオークス(G1)で3着となったナミュールとなっていた。
「スターズオンアースやナミュールだけでなく、どの馬たちも高いレベルで推移していると思いましたが、前走(紫苑S(G3))の内容からしても、秋華賞(G1)はスタニングローズに向いている条件だと思いました」(鈴木厩舎長)
先行馬が有利とされる阪神芝2000mにおいて、ほとんどのレースで好位置を取ってきたスタニングローズは、スタート後の接触はあったにしろ、今回も先行する形でレースを進めていった。
「この辺はレースセンスの良さだと思います、馬の中に入ってもリラックスして走れていただけに、展開的にも力を出し切れると信じていました」(鈴木厩舎長)
最後の直線、スタニングローズは前を行くアートハウスとサウンドビバーチェを交わして先頭に躍り出る。その外からはナミュールが迫り、そして、出遅れて最後方となったはずのスターズオンアースは馬群の中を縫いながら、いつしか、勝負のできる位置まで駆け上がっていた。
ただ、2頭の追撃を振り切ったのは、センスの良さを十二分に発揮して、最もロスの無いレースをしていたスタニングローズだった。
「元々高い能力を持っていると思っていた馬だけに、ここでG1を勝って、それを証明できたのが嬉しいです。共に働いてきたスタッフともゴールしてからすぐに連絡を取りましたが、みんな感動したと話してくれました」(鈴木厩舎長)
レース後、ノーザンファームしがらきに移動したスタニングローズであるが、スタッフからは、「あれだけのレースを使ってきたとは思えない程にケロッとしています」との言葉が鈴木厩舎長の元に返ってきたという。
「オークス(G1)の走りにも証明されたように、距離が伸びても大丈夫な馬ですし、古馬とは初めての戦いとなりますが、この馬自身も成長していますし、どんなレースをしてくれるか楽しみでなりません」(鈴木厩舎長)
そのエリザベス女王杯(G1)には、同じく育成を手がけたジェラルディーナも出走予定。鈴木厩舎長にとっては、さぞかし応援のしがいがあるエリザベス女王杯(G1)となりそうだが、「僕も2頭の対決を楽しみにしています」と2頭の好走を期待していた。