2022年09月25日 オールカマー G2
優勝馬:ジェラルディーナ
プロフィール
- 生年月日
- 2018年05月12日 04歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:15戦5勝
- 総収得賞金
- 445,447,000円
- 馬主
- (有) サンデーレーシング
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 斉藤 崇史
- 騎手
- 横山 武史
史上4頭目の三冠牝馬。そしてジャパンC(G1)連覇を含め、父ディープインパクトに並ぶG1 7勝。年度代表馬にも二度輝いただけでなく、現役引退後には史上32頭目のJRA顕彰馬にも選出されたジェンティルドンナ。
生まれ故郷のノーザンファームで繁殖入りしてからは、これまでに5頭の産駒を誕生させているが、3番仔となるジェラルディーナが、母に重賞タイトルを授けることとなった。
「ただただ嬉しいですね。育成時の印象としては、同じ頃の母と比べると線が細く出た印象もありますが、とはいっても、父のモーリスにも外見は似ていませんでした。ただ、動きのしなやかさや、バネの利いた走りを見ていると、やはりジェンティルドンナの娘だなあと感じていました」と話すのは厩舎長時代に母を、そして、調教主任となってからは娘を手掛けた伊藤賢調教主任。母を良く知る伊藤主任の元で育てられたジェラルディーナは、順調にトレーニングメニューを消化しながら、更に競走馬らしい馬体へと変貌していく。
「こちらから送り出す頃には、線の細さも感じさせない程に、調教の後が身になっていきました。この頃には持っているポテンシャルの高さも発揮できるようになっていましたし、先々が楽しみな馬だと期待も膨らんでいました」(伊藤調教主任)
2歳9月のメイクデビュー中京で初戦を迎えるも、その時は3着。その時と同じ芝のマイル戦となった2歳未勝利戦でも2着となるも、距離が一ハロン伸びた、3戦目の芝1800mの2歳未勝利戦で見事に勝利。その後、3歳夏のマカオJCTから西宮Sまで3連勝で一気にオープン入りを果たすも、この条件もまた芝1800mだった。
「短距離適性の高いモーリスの産駒ながら、育成時の印象としてはマイラーと言った印象はありませんでした。そこに心身ともに成長力も加わったことが連勝に繋がったのだと思います」(伊藤調教主任)
その後は重賞戦線に顔を出していくも、勝ちきれないレースが続いていく。だが、今年の鳴尾記念(G3)では2着、小倉記念(G3)でも3着と確実に重賞制覇に近づいていた。
「牡馬を相手にしながらでも好走しただけに、自分としても重賞はそう遠く無い時期に勝てると思っていました。オールカマ―(G2)は初めての中山競馬場でのレースとなりましたが、これまでのレースを見ていても、瞬発力を生かせる中山コースは合っているのではと思いました。そして横山(武史)騎手も、前々でレースを運びながら、この馬の末脚を引き出す騎乗を見せてくれたと思います」(伊藤調教主任)
2枠2番からインコースでじっくりとレースを進めていったジェラルディーナは、最後の直線で他の馬たちが外に進路を取る中、馬群の中を鋭く抜け出すと、2着のロバートソンキーに1馬身半差をつけて、重賞初制覇を果たす。
「個人的にホースマン人生の中で、最も思い入れのある馬はジェンティルドンナです。いつしか、その仔で活躍馬を送り出すのが目標となっていましたが、母としても優秀であることを証明できたのは嬉しいですね」(伊藤調教主任)
この後はエリザベス女王杯(G1)の出走を正式に表明。意外というか、母は一度も出走したことのないレースでもあるが、G2タイトルに続き、次はG1タイトルを母に授ける機会がやってきた。
「距離も問題は無いですし、今の成長したジェラルディーナならやってくれると思います。ここに来ての成長力の凄さもまた、母譲りだと思いますし、ここでG1を勝って母の偉業にまた近づいてもらいたいですね」と話す伊藤調教主任。歴史的な名牝から、名繁殖牝馬となりつつあるジェンティルドンナだが、ジェラルディーナが繁殖牝馬としての評価を、更に高めてくれるのは間違いなさそうだ。