重賞ウィナーレポート

2022年09月19日 セントライト記念 G2

2022年09月19日 中山競馬場 曇 稍重 芝 2200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ガイアフォース

プロフィール

生年月日
2019年02月21日 03歳
性別/毛色
牡/芦毛
戦績
国内:5戦3勝
総収得賞金
213,258,000円
キタサンブラック
母 (母父)
ナターレ  by  クロフネ(USA)
馬主
KRジャパン
生産者
追分ファーム (安平)
調教師
杉山 晴紀
騎手
松山 弘平
  • 広さだけでなく、高低差もある放牧地
    広さだけでなく、高低差もある放牧地
  • 手入れのされた木々に囲まれた牧場事務所
    手入れのされた木々に囲まれた牧場事務所

 ガイアフォースの父であるキタサンブラックは、2015年の第76回菊花賞(G1)を優勝。そして今年、第83回を迎える菊花賞(G1)に、セントライト記念(G2)を制したガイアフォースが挑む。

 「育成時から調教の動きが良く、高い心肺機能を有していました」とは平沼敏幸厩舎長。その平沼厩舎長が同世代で育成を手掛けてきたセリフォスは2歳時に新潟2歳S(G3)、デイリー杯2歳S(G2)と重賞を連勝して、朝日杯FS(G1)でも2着に入着。ガイアフォースの重賞制覇で、育成厩舎としてもハイレベルな世代であることを証明した。

 「セリフォスと同様に、ガイアフォースも早い時期に牧場を離れました。ただメイクデビュー小倉で2着となった後に骨折が判明して、牧場で再調整を行いました」(平沼厩舎長)

 牧場を離れてから、それほど時間も経っていなかったこともあってか、「以前より格段に変わったとは思いませんでした」と笑顔を見せる平沼厩舎長。だが、能力の高さは変わることなく、3歳の2月には管理をする杉山晴紀厩舎へと帰厩。3月に行われた3歳未勝利戦で初勝利をあげる。

 その後はあずさ賞の2着を挟んで出走した国東特別を勝利。ここでは2着に7馬身差を付けただけでなく、勝ち時計の1分56秒8は小倉競馬場芝2000mのレコードともなった。

 「このレースを見た時に、菊花賞(G1)路線でも活躍できるのではと思うようになりました。血統面だけでなく、乗った印象からしても距離も長い方がいいと思っていただけに、セントライト記念(G2)で権利を掴んでほしいと願っていました」(平沼厩舎長)

 そのセントライト記念(G2)では3番人気の評価となったガイアフォースは、好位の外目からレースを進めていく。3コーナーから4コーナーにかけて一気にポジションを上げていくと、直線では一番人気のアスクビクターモアとの叩き合いに持ち込む。結果はアタマ差交わしての勝利。晴れて菊花賞(G1)優先出走権を掴み取った。

 「元々勝負根性のある馬であり、一度交わされてから盛り返してくれました。菊花賞(G1)も楽しみになるレースとなりました」

 そう話してくれた平沼厩舎長はガイアフォースを含めた厩舎の育成馬と、ある馬の因縁を話してくれる。

 「ガイアフォースが2着となった新馬戦で勝利したのがドウデュースでしたが、その後のアイビーSではグランシエロ、そして、朝日杯FS(G1)ではセリフォスと育成馬は3連敗しています。ドウデュースは日本ダービー馬になったほどの馬ですが、もし、どこかで育成馬たちが勝っていてくれていたのならば…と成績を見ると思ってしまいます」と再び笑顔を見せる平沼厩舎長。ドウデュースは出走していない菊花賞(G1)であるが、ガイアフォースがここで父仔菊花賞(G1)制覇を達成すれば、改めて同世代のライバルとして名乗りをあげられるはず。その時には新馬戦のリベンジを果たす機会もやってくるに違いない。