2022年06月05日 安田記念 G1
優勝馬:ソングライン
プロフィール
- 生年月日
- 2018年03月04日 04歳
- 性別/毛色
- 牝/青鹿毛
- 戦績
- 国内:10戦4勝
- 総収得賞金
- 688,550,000円
- 父
- キズナ
- 母 (母父)
- ルミナスパレード by シンボリクリスエス(USA)
- 馬主
- (有) サンデーレーシング
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 林 徹
- 騎手
- 池添 謙一
前走のヴィクトリアマイル(G1)では2番人気に支持されたソングライン。だが、ソダシの快走の前に5着に敗退。そこから中2週で安田記念(G1)へと臨んできた。
「ヴィクトリアマイル(G1)は残念でしたが、富士S(G2)も勝っていますし、コース、距離も同じ条件の安田記念(G1)ならば力を出せると思っていました。レース間隔こそ詰まっていましたが、昨年、桜花賞(G1)からNHKマイルC(G1)に出走した時も好走していましたし、ヴィクトリアマイル(G1)組で1週前にびっしりと追い切っていたのはソングラインだけだったので、いい状態で出走できるのではと期待をしていました」と話すのはノーザンファーム早来の佐藤洋輔厩舎長。とは言えども、牝馬限定競走だったヴィクトリアマイル(G1)とは違い、牡馬も出走してくる安田記念(G1)は牝馬の好走例が少なく、ヴィクトリアマイル(G1)からのローテ―ションで勝利したのは、2008年と2009年に勝利したウオッカだけしかいない。
しかも、マイル重賞の好走馬に加えて、唯一の3歳馬セリフォスや、フェブラリーS(G1)を連覇したカフェファラオも出走。ソングラインに対するファンの評価も4番人気と、ヴィクトリアマイル(G1)よりも人気を下げていた。
「正直、このメンバーを相手にして、勝ち負けは難しいのかなと思っていました。それだけに4コーナーですっと上がってきた時には、ロスなく走れていると思いましたし、池添騎手がソングラインの持ち味を生かす乗り方をしてくれたと思います」
ヴィクトリアマイル(G1)では道中でつまづくなど、スムーズな走りができなかったが、この安田記念(G1)では馬群の外を回りながら、最後の直線を迎えていく。
「直線ではソングラインしか見ていませんでした。ゴールの瞬間は2着馬も3着馬も分からなかったほどです。その後、何度もレースを見直したのですが、見れば見るほど興奮してくるというか、仕事に行く前には必ずレースを見直して、テンションを上げています」
佐藤厩舎長のテンションが上がったゴール前、まさに末脚比べとなった中、外から脚を伸ばしてきたソングラインは先に抜け出したサリオスを競り落とし、そして内側から伸びてきたシュネルマイスターの追撃も振り切る。それは4度目の挑戦でついに掴みとった、G1タイトルとなった。
「個人的にこの勝利は、この馬に常に騎乗してくれていて、今は牡馬を管理している小笠原(博)厩舎長が、物凄く喜んでいてくれたのが嬉しかったです。小笠原厩舎長にとっては、ノーザンファームに入社してから、初めて直接携わった重賞馬であり、海外でも重賞を勝利。そしてG1馬にもなってくれました。管理をしてくださっている林調教師にとっても、初めてのG1馬となってくれましたし、それもまた嬉しかったですね」
レースの後、林調教師は佐藤厩舎長やスタッフの元を訪ね、G1を勝ったお礼をしにきたという。
「こちらも先生の管理があったから勝てたレースだと思いますし、中間を管理してくれていた、ノーザンファーム天栄のスタッフにも感謝するだけです。その天栄のスタッフからも、海外のレース(1351ターフスプリント(G3))を使ってから、精神的にも肉体的にもガラッと変わりましたと聞いていましたし、この勝利もまた、更にソングラインを強くしてくれると思います」
レース後はノーザンファーム天栄に放牧され、秋はセントウルS(G2)を使った後に、優先出走権を得たBCマイル(G1)を目標とすることがオーナーサイドから発表された。
「決して連戦連勝とはいきませんでしたが、それでも勝ち負けを繰り返しながら強くなっているのが分かる馬ですし、応援のしがいがありますね」と話す佐藤厩舎長。今後は勝ち負けではなく、連勝を重ねた向こうにあるのは、日本育成馬としては初めてのBCマイル(G1)制覇であって欲しい。