重賞ウィナーレポート

2022年07月10日 プロキオンS G3

2022年07月10日 小倉競馬場 晴 稍重 ダ 1700m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ゲンパチルシファー

プロフィール

生年月日
2016年03月30日 06歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:29戦5勝
総収得賞金
179,422,000円
トゥザグローリー
母 (母父)
ラブリイステラ  by  クロフネ(USA)
馬主
平野 武志
生産者
カナイシスタッド (浦河)
調教師
佐々木 晶三
騎手
川田 将雅

 京都競馬場改修工事のため、今年も小倉競馬場を舞台とした「第27回プロキオンS(G3)」が7月10日に行われ、激しくやりあう先行馬を見るような位置でレースを進めた4番人気のゲンパチルシファーが3角手前から進出。早めに先頭に立つと、追い上げる2着馬を半馬身差抑えて重賞初制覇を成し遂げ、生産者の(有)カナイシスタッドにうれしい報告を行った。鞍上の川田将雅騎手は今年のNHKマイルC(G1)(優勝馬ダノンスコーピオン)に続く重賞勝利で通算114勝目。管理する佐々木晶三調教師は昨年のマーメイドS(G3)(優勝馬シャムロックヒル)以来の勝利で、区切りのJRA通算50勝目の重賞タイトルとなった。

 浦河町で昭和35年創業。現在は生産、中期育成、後期育成までを行う総合牧場として年間20頭弱の競走馬を送り出している(有)カナイシスタッドにとっては2005年の函館2歳S(G3)(モエレジーニアス)以来の、2度目のJRA重賞タイトルとなった。

 今回、話を聞かせていただいたのは同牧場で育成を主に担当している金石信也さん。牧場のテレビを通して応援していたという。「重賞挑戦は2度目でしたが、オープンに上がってからも、それほど離された競馬をしたわけではありませんので、チャンスはあると思っていました、今回は下級条件時代とはいえ、この馬を勝利に導いてくれたことがある川田騎手が騎乗してくれることも心強かったです。期待を込めて応援していました」。

 そんな生産者の思いを乗せたゲンパチルシファーは、予想どおりの快走劇を演じて期待に応える。

 「ジョッキーの手応えから4角では勝利をはっきりと意識できました。平野オーナーと『どこかで大きなタイトルを取りたいですね』と話していた馬ですから、本当にうれしかったです。これまで、思うような結果を出せない時もありましたが、長いおつきあいをいただいているオーナーに少しでも恩返しが出来てよかったです」とほっとしたような表情を見せた。

 牧場時代のゲンパチルシファーのことを尋ねると「母のラブリイステラも当牧場の生産馬です。牝馬ながらに馬格に恵まれた馬で、産駒も総じて大きな馬が多いです。ゲンパチルシルファーは2番仔になりますが、仔馬の頃から馬格に恵まれ、以前はよい意味で気の強い面がありました。育成段階に移ってからは走ることには真面目で、扱い易い馬でした」と育成時代のエピソードを聞かせてくれた。「これからは、もっとレベルの高いレースへと挑むことになると思いますが、ここまで無理をせずに大事に使ってきた馬ですので、この馬自身もピークはまだ先にあると思っています。生産馬をグレードレースに送り出すのは本当に大変なことですが、今回のような思いは何度繰り返しても良いと思いますので、これからも強く、丈夫な馬づくりに励んでいきたいと思います」と意を新たにしている。