2022年05月15日 ヴィクトリアマイル G1
優勝馬:ソダシ
プロフィール
- 生年月日
- 2018年03月08日 04歳
- 性別/毛色
- 牝/白毛
- 戦績
- 国内:11戦7勝
- 総収得賞金
- 629,234,000円
- 馬主
- 金子真人ホールディングス (株)
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 須貝 尚介
- 騎手
- 吉田 隼人
今年のヴィクトリアマイル(G1)、ソダシは4番人気だった。前走はフェブラリーS(G1)という異例のローテーション。同世代のソングライン、ファインルージュなどの台頭や、G1馬アカイイト、デアリングタクト、レイパパレ、レシステンシアの参戦と、非常にハイレベルなメンバー構成となったのも関係していたが、18頭の出走馬でファンからの視線を最も集めていたのは純白の馬であり、そのファンからの視線を更に自分へ向けさせるように、先頭でゴール板を駆け抜けた。
「ソダシに対して失礼かもしれませんが、ゴールの瞬間はびっくりしたというのが、正直な気持ちでした」とノーザンファーム空港の中川晃征厩舎長は驚きの表情を浮かべる。ソダシの能力だけでなく、芝マイル戦への適性の高さは感じていながらも、中川厩舎長もまたファンと同じようにハイレベルなメンバーが揃った今回は苦戦を覚悟していた。
「完璧なレース内容でした。レースは自宅のテレビで見ていましたが、G1とは思えない程にどこか安心しきっていましたし、ソダシにはこんなレースをしてほしいと思ってきたレースが、画面の中で繰り広げられていました」
3番枠から好スタートを決めたソダシは、先手を奪おうかと言う手応えの良さを見せたが、その後は吉田隼人騎手の折り合いも良く、最内から前を行く馬を見る形でレースを進めていく。最後の直線で逃げたローザノワールが一気に仕掛けると、ばらけた先行勢の間を突くように進出を開始。馬体を合わせてきたレシステンシアを退けると、純白の馬体をゴール板の先へ滑り込ませた。
「直線に入った時はどれだけ伸びるかと期待をしていました。レシステンシアを交わした時には勝ったと思いました」と勝利を実感した瞬間を振り返る中川厩舎長。この勝利で2歳(阪神JF(G1))、3歳(桜花賞(G1))、そして4歳(ヴィクトリアマイル(G1))と3年連続でのG1制覇ともなった。
「元々完成度の高い馬だと思っていましたが、そこに成長力も備えているのを、この勝利で証明してくれたと思います。そして、自分の中ではアカイトリノムスメの分までも、ソダシが頑張ってくれたとの思いもあります」
この4歳世代、中川厩舎長はソダシに加え、秋華賞馬となったアカイトリノムスメの調教も手掛けてきた。
「ソダシの完成度と比較すると、アカイトリノムスメはゆっくりめではありましたが、それでも3歳の春にタイトルを取ってくれて、その秋にはG1も勝ってくれました。その成長力からしても、今年はアカイトリノムスメの年になるのではとも思っていただけに、故障での引退は非常に残念でした。同じ金子オーナーの馬であるソダシが、そのことを分かっていたのではと思えるような、走りを見せてくれたと思います」
ソダシの活躍は今や日本国内だけでなく、世界にも広く知られるようになっている。ヴィクトリアマイル(G1)のレース後にはニューヨークタイムズにも取り上げられ、その活躍はセンセーショナルであるとも称された。
「世界的にもこれだけの注目度がある馬に接してこられたことを、ホースマンとして嬉しく思います。金子オーナーから素晴らしい馬を管理させていただいたおかげでもありますし、この勝利でアイドルホースから、高い能力を兼ね備えたスターホースとしての階段を上り始めたという思いもあります」
ヴィクトリアマイル(G1)のレース後はノーザンファームしがらきへと放牧。この後は札幌記念(G2)を目指すことになる。昨年も勝利しただけでなく、2歳時には札幌2歳S(G3)にも優勝と相性のいいコースで、ソダシはまたスターホースたる強いレースを見せてくれるのだろう。