重賞ウィナーレポート

2021年11月21日 マイルChS G1

2021年11月21日 阪神競馬場 曇 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:グランアレグリア

プロフィール

生年月日
2016年01月24日 05歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:15戦9勝
総収得賞金
1,073,813,000円
ディープインパクト
母 (母父)
タピッツフライ(USA)  by  Tapit(USA)
馬主
(有) サンデーレーシング
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
藤沢 和雄
騎手
C.ルメール
  • 牧場でも三寒四温を繰り返している
    牧場でも三寒四温を繰り返している
  • 幼少期のグランアレグリアは、この場所で過ごした
    幼少期のグランアレグリアは、この場所で過ごした

 これぞまさに「有終の美」だった。

 3強対決と目された天皇賞(秋)(G1)では、積極的なレースぶりで3着に入着。そして得意とするマイルに舞い戻ってきたマイルCS(G1)では、単勝1.7倍という圧倒的な支持に応えてみせたグランアレグリア。そのグランドフィナーレを見届けた、ノーザンファーム空港の窪田淳調教主任は、「牝馬の枠を超えて一線級の牡馬を相手にしながらも、強さを証明してくれた馬。ここまでの馬には、そうそう巡り合えないのだろうなと思いました」と感慨深げに話す。

 これまでの実績からしても、決して適距離では無かった天皇賞(秋)(G1)であったが、それでも今年の皐月賞馬となったエフフォーリア、そして昨年、無敗の三冠馬に輝いただけでなく、引退レースとなったジャパンC(G1)も制したコントレイルとは僅差の3着。その姿もまた、窪田調教主任は誇らしく映っていた。

 「決して得意としている条件では無いにも関わらず強いレースをしてくれましたし、マイルならばどの馬にも負けないだろうという気持ちにもなりました」(窪田調教主任)

 ただ、芝2000mの流れに慣れてしまった影響もあったのか、マイルCS(G1)では行き脚が付かずに、中団よりやや後ろからレースを進めることとなる。

 「スプリンターズS(G1)からの参戦となった昨年のマイルCS(G1)は、まだ行き脚もありましたが、そこからのレースぶりは、まさに横綱相撲だったと思います。最後の直線に向いた時には安心しながら、ラストランを見守っていました」

 そう話す窪田調教主任はG1 6勝という成績以外だけでなく、育成馬としても、グランアレグリアが特別な馬だったと振り返る。

 「ディープインパクト産駒の牝馬で、あれだけしっかりとした馬格をした馬はいなかったですし、強い調教をクリアし続けていったタフさもまた、牝馬離れしていました。そして、競馬にいってからも、一度も掲示板を外さないレースを続けてくれましたし、まさに想定外の競走馬だったと思います」(窪田調教主任)

 12月18日に引退式が中山競馬場で執り行われた後、生まれ故郷のノーザンファームで繁殖入りとなる。

 「あれだけの馬体をした馬だけに、仔出しの良さも含めて楽しみしかありません。早世した母タピッツフライの血を伝えていくという重要な役割もありますし、母譲りの優れた能力に加えて、健康な馬を送り出してもらいたいです。そして、その牝馬にまた携われたら嬉しいですね」と窪田調教主任。競走馬として有終の美を飾ったグランアレグリアであるが、繁殖牝馬としての輝かしい名牝の道は、これから始まっていくのだろう。