2021年11月14日 エリザベス女王杯 G1
優勝馬:アカイイト
プロフィール
- 生年月日
- 2017年04月17日 04歳
- 性別/毛色
- 牝/青鹿毛
- 戦績
- 国内:20戦5勝
- 総収得賞金
- 230,029,000円
- 父
- キズナ
- 母 (母父)
- ウアジェト by シンボリクリスエス(USA)
- 馬主
- 岡 浩二
- 生産者
- 辻 牧場 (浦河)
- 調教師
- 中竹 和也
- 騎手
- 幸 英明
牝馬の頂上決戦エリザベス女王杯(G1)が11月14日、阪神競馬場で行われ、キズナ産駒で浦河町の辻牧場生産、幸英明騎手騎乗の10番人気アカイイトが最後の直線で外から強襲。デビュー20戦目の重賞初勝利をG1競走の大舞台で飾った。
辻牧場生産馬の重賞勝利は2018年ステイヤーズS(G2)(優勝馬リッジマン)以来、約3年ぶり。キズナ産駒のJRA重賞勝利は10月の富士S(G2)(優勝馬ソングライン)に次ぐもので、通算15勝目。2着にも同馬産駒のステラリアが入って、キズナ産駒のワン・ツー・フィニッシュとなった。
辻牧場は、明治43年創業。日本でも有数の歴史を誇る牧場で、数えきれないほどの活躍馬を送り出し、18年JBCレディスクラシック(Jpn1)を勝ったアンジュデジールなども送っているが、JRAのG1勝利はグレード制制定以来初。1977年のエリザベス女王杯(優勝馬インターグロリア)以来のビッグタイトルとなった。
現在、繋養する繁殖牝馬は約70頭。浦河町の繁殖本場ほか生産部門、中期育成部門、そして休養牧場などに分かれて、心身ともに健康な馬づくりに励んでいる。
レース当日、同牧場の辻助マネージャーは牧場テレビの前で愛馬のレースを楽しみにしていたそうだ。「生産者ですから、勝ってほしいという思いは当然ありましたが、それと同時にこの馬の持ち味である決め手が、今回の強力メンバー相手にどれくらい通用するものか、それを楽しみにしていました」とスタート時刻を待っていたそうだ。
ゲートが開くと、いつも通りの後方待機ながらもリズムよく追走し、勝負どころでのジョッキーのゴーサインに鋭く反応。最後は外から力強く伸びた。
「未勝利戦を勝ったときの2着馬がのちの重賞勝ち馬でした。3歳春はクラシックを意識した牡馬が歩むようなローテーションを選び、そんな馬たちを相手に着順から受ける印象よりも内容のある競馬をしてくれていると評価していました。今回も、強い競馬だったと思います。ただ、それでも最後まで本当に勝てるとは思わなかったですけど」と控えめに胸を張った。
牧場時代のアカイイトについて尋ねると「祖母リーチトゥピースからのファミリーは重賞級こそアカイイトが初めてですが、高いレベルで堅実に結果を残してくれています。この馬も、生まれた時から高い評価を与えていた馬でした。当牧場にいたのは1歳秋までですが、その当時から牝馬ながらも馬格もありましたし、放牧地での動きも目立つ、期待の1頭でした」と話し、今後については「せっかく、こうしてG1競走を獲らせてもらいましたので、とにかく無事に。そして長く頑張ってほしいと思います」とさらなる活躍を期待し、目を細めている。