重賞ウイナーレポート

2021年11月07日 AR共和国杯 G2

2021年11月07日 東京競馬場 晴 良 芝 2500m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:オーソリティ

プロフィール

生年月日
2017年02月12日 04歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:10戦5勝
総収得賞金
232,012,000円
オルフェーヴル
母 (母父)
ロザリンド  by  シンボリクリスエス(USA)
馬主
有限会社シルク
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
木村 哲也
騎手
C.ルメール
  • ステラヴェローチェもまた、牧場で調整された後に神戸新聞杯を優勝した
    ステラヴェローチェもまた、牧場で調整された後に神戸新聞杯を優勝した
  • 一雨ごとに寒さも厳しくなってきている
    一雨ごとに寒さも厳しくなってきている

 競馬では毎週のように様々な記録が打ち立てられているが、オーソリティのアルゼンチン共和国杯(G2)連覇は、82年と83年に同レースを制したミナガワマンナ以来、38年ぶりかつ、史上3頭目の快挙ともなった。

 ただ、この記録が達成されたのには、様々な要因が絡んでいる。それは天皇賞(春)(G1)の後に左脛骨の骨折が判明し、半年以上の休養を余儀なくされたこと。そして、長期の休養が考えられたにも関わらず、獣医陣が適切な判断を元に治療を行い、そして、管理を任された牧場スタッフが、ベストな状態で厩舎へと送り出せたからだと言える。

 「天皇賞(春)(G1)を使った後、ノーザンファーム天栄で調整が行われていたのですが、トレッドミルといった軽い運動をさせていたにも関わらず、トモの肉も落ちた上に跛行も見られました。そこで改めて診察をしたところ、左脛骨の骨折が判明しました」とはノーザンファーム早来の木村浩崇厩舎長。昨年は青葉賞(G2)をレースレコードで制した後での左前球節部の骨折が判明。骨片を除去して、牧場で立て直しを図った後に、アルゼンチン共和国杯(G2)制覇を果たしたが、奇しくも同じように牧場での調整を余儀なくされた。

 「左脛骨の骨折は症例も少なく、全治の時期も掴めなかった中でこちらへは返ってきました。ただ、歩かせてみるとそこまで歩様は悪くもなく、6月上旬からはトレッドミルでの運動を開始。7月後半からはコースでの乗り出しを始めることもできました」(木村厩舎長)

 オーソリティ自身の驚異的な回復力もあったのかもしれないが、適切な判断で休養させ、そして状態を確かめた上で調教を開始したホースマンたちの見識により、日に日に動きは良くなり、そして、復活に向けての目処も立つようになっていく。

 「昨年もほぼ同じ時期に牧場で調整してきましたが、その時は骨折の手術明けだったに対して、今回はスムーズに運動を始められた違いもあったかと思います。それでも無理をさせないようにしてきましたし、また、精神面での成長を促すべく、周回コースや角馬場での乗り込み量も増やしていきました」(木村厩舎長)

 それは追いきりの後にコメントを残した太田助手からの、「折り合い面が改善されて調整しやすくなっただけでなく、手前の替え方もスムーズになっている」という言葉にも表れている。

 「精神面の成長だけでなく、トモも良くなりましたし、昨年よりいい状態で送り出すことができました。最終追いきりは元気の良さも見せたようでしたが、それでもいい状態で来ていることの証明だとも思いましたし、あとは57.5kgという斤量がどうなるかだけだと思いました」(木村厩舎長)

 アルゼンチン共和国杯(G2)連覇が難しい理由のもう一つには、このレースがハンデ戦であることも関係している。3歳で出走した昨年は、54kgの斤量であったが、今回はトップハンデを課せられただけでなく、休み明けのレースもまた、決してプラス材料とはならなかった。

 「ただ、自分たちだけでなく、ノーザンファーム天栄や木村厩舎の皆さんなど、この馬に対してやるべきことはやってきたと思いましたし、その意味では自信がありました。改めて勝利という最高の結果を残してくれたオーソリティに感謝するだけですし、関係者の皆さんだけでなく、牧場のスタッフたちにも『ありがとう』と言いたいです」(木村厩舎長)

 次走はジャパンC(G1)への出走を表明。東京コースは4戦して3勝、2着1回という得意としている条件であり、また距離適性もベストと言える。

 「中2週でのレースとなりますが、状態はいいと聞いています。メンバーこそ強くなりますが、得意とする条件が揃っていますし、ここでG1タイトルを取ってもらいたいですね」(木村厩舎長)

 次にオーソリティが達成する快挙は、ダービー馬4頭や世界の強豪といったトップホースたちを向こうに回しての、ジャパンC(G1)制覇となるのかもしれない。