重賞ウィナーレポート

2021年11月06日 京王杯2歳S G2

2021年11月06日 東京競馬場 晴 良 芝 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:キングエルメス

プロフィール

生年月日
2019年02月05日 02歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:3戦2勝
総収得賞金
80,390,000円
ロードカナロア
母 (母父)
ステラリード  by  スペシャルウィーク
馬主
広尾レース (株)
生産者
木村 秀則 (静内)
調教師
矢作 芳人
騎手
坂井 瑠星

 京王杯2歳ステークス(G2)は、サウジアラビアRC(G3)と並び、朝日杯フューチュリティS(G1)への重要なステップレース。過去20年間の間にコスモサンビーム、グランプリボスが連覇を成し遂げているほか、04年マイネルレコルトがここをステップに朝日杯フューチュリティS(G1)を制している。

 2021年、このレースを制したのは札幌競馬場でデビュー勝ちを収めたロードカナロア産駒のキングエルメス。クローバー賞は、この馬らしさを見せることができずに1番人気を裏切ってしまったが、中央場所に戻って挑んだG2戦で重賞初勝利。2009年に函館2歳S(Jpn3)に勝った母ステラリードに続いて母仔2歳重賞制覇を成し遂げている。

 キングエルメスの生まれ故郷は新ひだか町駒場の木村秀則牧場。2011年創業という歴史の浅い牧場だが、2019年福島記念(G3)を勝ったクレッシェンドラヴや20年紫苑S(G3)2着パラスアテナ、17年京成杯(G3)2着ガンサリュートほか、19年優駿スプリント優勝のナガタブラックなど中央、地方の重賞活躍馬を送っている。

 現在は繁殖牝馬21頭。約50haという広大な土地を利用して木村社長以下10人のスタッフで、強い馬づくりに励んでいる。

 「今回(京王杯2歳S(G2)はテレビ観戦でした。この馬は母が重賞勝ち馬ステラリードで、兄姉も高いレベルで走ってくれている血統馬。生まれたときから馬格にも恵まれ、期待の大きな馬でした。育成時代に移動してからも母親譲りのスピードと闘争心で高い評価をいただき、札幌競馬場の新馬戦を楽勝したときには大きく夢が膨らんだ馬です」と話してくれたのは木村秀則社長だ。

 人気を集めた2戦目のクローバー賞は案外の結果だったが、捲土重来を期してのデビュー3戦目。「馬体重は大きく増えていましたが、テレビ画像で見る限り、太くは見えず、とても良い状態に見えました。オーナーサイドからは調子が良いとも聞いていましたし、レースの前は先々につながるような競馬をして欲しいと思っていました」という木村社長だったが、坂井瑠星騎手を背にした愛馬は好スタートから先手を奪うと、直線に入っても脚色は衰えず、2着以下に1馬身4分の1差をつけて快勝。自身重賞初制覇を果たすとともに、木村さんの牧場に3年連続となる重賞タイトルをもたらすことになるが、レース後には軽度の骨折が判明してしまう。

 「不幸中の幸いと言いますか、大事にはいたらず経過も良好と聞いています。まずはしっかりと直すこと。この1戦で高い能力は示してくれましたので、次の目標に向けて頑張ってほしいと思います」と気持ちを切り替えている。