重賞ウィナーレポート

2021年11月06日 ファンタジーS G3

2021年11月06日 阪神競馬場 曇 良 芝 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ウォーターナビレラ

プロフィール

生年月日
2019年05月27日 02歳
性別/毛色
牝/青鹿毛
戦績
国内:3戦3勝
総収得賞金
127,914,000円
シルバーステート
母 (母父)
シャイニングサヤカ  by  キングヘイロー
馬主
山岡 正人
生産者
伏木田牧場 (荻伏)
調教師
武 幸四郎
騎手
武 豊

 「第26回KBS京都賞ファンタジーS(G3)」を不敗のまま制したウォーターナビレラの生まれ故郷は浦河町の伏木田牧場。その創業は明治時代にまでさかのぼり、現在代表を務める伏木田修氏が6代目代表という日本でも有数の歴史を持つ牧場だ。その長い歴史の中で天皇賞(秋)、有馬記念に勝ったヤマトキョウダイや桜花賞(G1)3着、オークス(G1)3着のミスタテガミ、鳴尾記念(G2)に勝ったロンスパークなどを送り出してきたほか、現在は愛国産馬ファインモーションを繋養する牧場としても知られている。

 同馬は父シルバーステート、母シャイニングサヤカという血統。母のシャイニングサヤカも、祖母のシンセイアカリも、3代母ピンクノワンピースも伏木田牧場による生産馬で、さらにさかのぼれば1960年代に、先々代となる伏木田達男氏が本馬の6代母にあたるセルリを海外から輸入したことにスタートする。「この血統は、当牧場が大切に育ててきた血統で、長く牧場を支えてきてくれました。このファミリーから重賞勝ち馬を送り出せたことが嬉しいです」と現代表。ウォーターナビレラの配合を紐解くとヘイロー4×4をメインにリファール5×4、ロベルト4×5。「極端に強いインブリードは好きではない」という伏木田代表が、そのこだわりの中から「芝向きの馬を創りたい」と、選んだのがディープインパクト産駒でスピード豊かな新種牡馬シルバーステートだった。

 そんな生産者の思いを背負って生まれた「シャイニングサヤカの2019」は5月生まれだったために、牧場同期生の中では大きい方ではなかったが、柔らかさの中に品を持ち合わせ、初めて放牧地に放したときから抜群の動きを見せる馬だったという。

 1歳秋まで同牧場で過ごし、坂東牧場で育成を施されたのちに伏木田牧場とは半世紀近くの交流があった故・山岡良一氏の所有馬として札幌競馬場でデビュー。初戦をあっさりと勝利で飾り、続くサフラン賞も2番手から楽に抜け出して快勝。途中、山岡オーナーの逝去という悲しい出来事があったが、実子であり馬を引き継いだ正人氏の所有馬としてファンタジーS(G3)で重賞初勝利を記録する。

 「レースは、正人オーナーと一緒に競馬場で迎えました。前走のサフラン賞のあと短期放牧を挟んだそうですが、馬の状態もよく見えましたし、何よりも最後の直線で、馬の背中を押してくれたのは良一オーナーだと思います。今も感謝しかありません」と伏木田代表。

 「生まれが遅い分、まだまだ成長の余地があると思います。大きなタイトルを獲ってくれましたので、まずは無事に。そして、これからもこの馬らしい競馬をして欲しいと思います」と願っている。