重賞ウィナーレポート

2021年10月30日 スワンS G2

2021年10月30日 阪神競馬場 晴 良 芝 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ダノンファンタジー

プロフィール

生年月日
2016年01月30日 05歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:17戦7勝
総収得賞金
401,901,000円
ディープインパクト
母 (母父)
ライフフォーセール(ARG)  by  Not for Sale(ARG)
馬主
(株) ダノックス
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
中内田 充正
騎手
川田 将雅
  • ダノンファンタジーは村上厩舎にとって、初めてのG1馬となる
    ダノンファンタジーは村上厩舎にとって、初めてのG1馬となる
  • 日没も早くなってきた
    日没も早くなってきた

 現役屈指の阪神巧者と言ってもいいだろう。このスワンS(G2)の勝利で、阪神コースは9戦6勝。また、阪神コースでの重賞5勝は、ゴールドシップに続く2位の記録となる。また、芝1400mの重賞もこれで3勝目。京都競馬場の改修により、阪神芝1400mで行われた今年のスワンS(G2)は、まさにダノンファンタジーのために設定された重賞ともなった。

 「相性のいいコースだっただけでなく、休み明けも苦にしていない馬だけに、チャンスはあると見ていました」とは育成を手掛けたノーザンファーム早来の村上隆博厩舎長。2歳6月のメイクデビュー東京でデビューして以来、一度も牧場には戻ってきていないダノンファンタジーであるが、「それだけに厩舎だけでなく、調整先であるノーザンファームしがらきにも、常にいい状態で管理してもらっているのだと思います。状態について見聞きすることはありますが、いつも思っていることは、安心して任せられるなといった感謝の思いです」と村上厩舎長は話す。

 今回はヴィクトリアマイル(G1)以来のレースとなったが、中間の状態も至って順調であり、その報告を聞いて、更に勝利への期待が高まっていったという。

 レースも完璧だった。スムーズなスタートを切ると、道中は中団を追走。最後の直線では川田騎手のゴーサインに反応して、馬群から抜け出すと、一気の末脚で先頭へと躍り出る。2着との差は3/4馬身ながらも、まさに着差以上の強いレースとなった。

 この勝利により、ダノンファンタジーは2歳から毎年勝ち続けてきた重賞勝利を5歳でも更新。阪神巧者の記録の影にあったのは、年齢を重ねても衰えを知らない能力とも言える。

 「デビューから毎年重賞を勝つのはなかなかできないことだと思いますし、それも心身の管理が難しい牝馬が成し遂げているのは凄いことだと思います。しかも、怪我やトラブルも無く、レースを続けて来られたからこその結果でもありますし、改めて中内田厩舎とノーザンファームしがらきのスタッフには感謝するだけです」

 村上厩舎にとっても、ダノンファンタジーが育成馬では初めてのG1勝ち馬であり、そして、毎年欠かすことなく、重賞タイトルを厩舎に届けてくれた馬ともなる。

 「ダノンファンタジーのような馬が厩舎にいてくれたことは、励みにもなりますし、感謝しかありません。年齢的にも出走数は限られてくるのかもしれませんが、その少ないチャンスの中でも、更に重賞タイトルを積み上げてもらいたいです」(村上厩舎長)

 次走は昨年勝利した阪神C(G2)となりそうだが、今回と同じ阪神コースの芝1400mは、まさにうってつけの条件。阪神コースの重賞タイ記録となる6勝にリーチがかかったと言えそうだ。