2021年09月20日 セントライト記念 G2
優勝馬:アサマノイタズラ
プロフィール
- 生年月日
- 2018年04月01日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:7戦2勝
- 総収得賞金
- 95,002,000円
- 馬主
- 星野 壽市
- 生産者
- 前野牧場 (門別)
- 調教師
- 手塚 貴久
- 騎手
- 田辺 裕信
菊花賞(G1)のトライアルレースに指定され、上位3着までに菊花賞(G1)の優先出走権が与えられる「朝日杯セントライト記念(G2)」が9月20日に中山競馬場で行われ、日高町の前野牧場生産で9番人気アサマノイタズラが4角11番手という後方待機策から、最後の直線で豪快に脚を伸ばし2分12秒3(良)で優勝。デビュー7戦目で重賞初勝利を記録し、10月24日に行われる菊花賞(G1)に堂々と駒を進めることになった。
前野牧場は、昭和30年代に兼業農家として馬産の歴史をスタートさせ、50年代から競走馬の専業牧場として、丈夫で強い馬づくりに励んでいる。60年にも及ぶその歴史の中で2014年ライデンリーダー記念優勝マルヨバナーヌや、1982年の上山3歳優駿優勝ヤマサヒカリ、あるいは藤田菜七子騎手にJRA初勝利をプレゼントしたサニーデイズなどを送り出している牧場だが、JRA重賞はこれが初勝利。「ちょうど翌日からのセプテンバーセールに参加するために、星野オーナーの家族の方が、牧場にご来場いただいているタイミングでした。もちろん、生産者として期待はしていましたが、スプリングS(G2)2着以降結果を出せないレースが続いていましたので、まさかここで結果を出してくれるとは。でも、おかげで一緒に喜びを分かち合うことができました」と嬉しい誤算に笑顔を広げている。
「母親ハイタッチクイーンも当牧場の生産馬で、アサマノイタズラと同じ星野オーナーの所有馬です。420kg台の馬体重でデビューしたように決して大きな馬ではなかったですが、特別競走を含め3勝をあげて牧場に戻ってきてくれました。繁殖牝馬としては、どちらかといえば種牡馬の特徴を産駒に伝えるようなタイプだと思います」と話し「ハイタッチクイーンには初年度から3年連続で三冠馬を配合させてもらうなど、私たちの牧場は星野オーナーから大きな夢もいただきました。本当に頭が下がる思いです」と感謝の言葉を続けた。
繁殖生活4年目を迎え、オーナーから配合を一任されたときに考えたのは「ある程度の馬格を持った馬で、クラシックを意識しつつ、ダートにも適性がある種牡馬」とヴィクトワールピサ。そうして生まれたアサマノイタズラは「思い描いていたイメージ以上の馬で、性格的にも兄姉と比べて穏やかでした」。そんな馬が、最高の形で生産者の思いに応えてくれることになる。
「もともとは、本馬の祖母にあたるオペラレディを繁殖セールで買い求めたことがきっかけですが、自分たちの生産馬が重賞勝ち馬の母親になって、牧場の大きなタイトルをもたらしてくれたわけですから、本当にうれしい。勝ったあとは、たくさんの方からお祝いの品々やメッセージをいただき、改めて多くの方に牧場が支えられていることに気が付かされました」と喜びを表現した。
「今のアサマノイタズラがあるのは、育成いただいた吉澤ステーブルや手塚貴久厩舎の方々、そして初騎乗だったにもかかわらず馬の力を引き出してくれた田辺騎手のおかげです。次は、距離も伸びますし、もっと強い馬たちとの競馬になると思いますが、悔いが残らないような競馬をしてほしいと思います」とエールを送っている。