重賞ウィナーレポート

2021年09月19日 ローズS G2

2021年09月19日 中京競馬場 曇 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:アンドヴァラナウト

プロフィール

生年月日
2018年02月21日 03歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:6戦3勝
総収得賞金
144,551,000円
馬主
(有) サンデーレーシング
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
池添 学
騎手
福永 祐一
  • 屋内周回コースの側に厩舎がある.jpg
    屋内周回コースの側に厩舎がある.jpg
  • 一桁台の気温も珍しく無くなってきた
    一桁台の気温も珍しく無くなってきた

 ローズS(G2)で初重賞制覇を果たしたアンドヴァラナウトは、祖母はG1 2勝馬のエアグルーヴ。母はマーメイドS(G3)勝ちのグルヴェイグという良血馬。育成を手掛けたノーザンファーム早来の村上隆博厩舎長にとっては、母グルヴェイグは育成スタッフとして、そして姉のゴルトベルクは厩舎長として手掛けてきた、馴染み深い血統馬である。

 「アンドヴァラナウトは決して大きな馬とは言えませんが、それでも母や姉よりも逞しさがありました。また、母や姉が馬体の成長を見ながら調教を進めなければいけなかったのに対して、アンドヴァラナウトは順調にメニューを消化していきました」と村上厩舎長。2歳の11月にはデビューを果たしたアンドヴァラナウトであるが、「それでもレース内容としては、気持ちと身体がバラバラのように見えました」と初戦をふりかえる。このメイクデビューに続く2歳未勝利戦でも2着。初勝利をあげたのは翌年4月の3歳未勝利戦だった。

 「調整先だったノーザンファームしがらきのスタッフが、しっかりと調整してくれたおかけだと思います。向こうの主任と話すこともあったのですが、1戦ごとに成長しているような印象もあると話してくれました」

 初勝利の後の1勝クラスでは3度目の2着となったが、続く出雲崎特別を優勝。春の牝馬クラシック戦線を沸かせてきたメンバーとは初対戦となったローズS(G2)であったが、アンドヴァラナウトは4番人気の支持を集める。

 「出雲崎特別のレース内容からしても、力を付けていたのは明らかでしたし、このメンバーを相手にしても充分に勝負になるのではと期待をしていました」と話す。しかも、レース前の中山10レースでは半姉のゴルトベルクが、3勝クラスのレインボーSを優勝。「この牝系の成長力を示した結果ともなったことで、更に期待も膨らみました」と村上厩舎長は話す。

 エイシンヒテンが父のエイシンヒカリを彷彿させるかのように、レースの主導権を握っていく中、アンドヴァラナウトは中団に控えながら、勝負所をうかがっていく。ゴール前、エイシンヒテンが逃げ粘りを図る中、鋭く反応を見せたアンドヴァラナウトが一気に交わし去ると、そのまま1馬身1/4差を付けてゴール。この牝系に再び重賞タイトルを刻み込んだ。

 「見ごたえのあるレースとなりましたし、その中で福永騎手が完璧な騎乗を見せてくれました。まだまだ良くなる馬だとは思いますが、それでも秋華賞(G1)でも十分に勝負になるところまで来ていると思います」と村上厩舎長。

 「この牝系らしい成長力も感じられますし、いずれはG1を取れる馬だと思います」とも話してくれたが、それはこの秋華賞(G1)で達成されるのかもしれない。