重賞ウィナーレポート

2021年09月05日 新潟記念 G3

2021年09月05日 新潟競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:マイネルファンロン

プロフィール

生年月日
2015年02月19日 06歳
性別/毛色
牡/青鹿毛
戦績
国内:30戦5勝
総収得賞金
201,775,000円
ステイゴールド
母 (母父)
マイネテレジア  by  ロージズインメイ(USA)
馬主
(株) サラブレッドクラブ・ラフィアン
生産者
ビッグレッドファーム (新冠)
調教師
手塚 貴久
騎手
M.デムーロ

 サマー2000シリーズの最終戦「第57回新潟記念(G3)」が9月5日、新潟競馬場で行われ、新冠町のビッグレッドファーム生産で12番人気のマイネルファンロンが後方待機策から最後の直線で大外に進路をとると、外埒沿いを力強く伸びて優勝。11度目のJRA重賞挑戦で初のタイトルを獲得した。勝ちタイムは1分58秒4(良)。鞍上のミルコ・デムーロ騎手は今年のオークス(G1)(優勝馬ユーバーレーベン)以来の重賞勝利で、通算99勝目。管理する手塚貴久調教師も今年のオークス(G1)(前出)以来となった。なお、父ステイゴールドにとっては昨年の七夕賞(G3)(優勝馬クレッシェンドラヴ)以来の重賞勝利となり、06年マーメイドS(G3)(優勝馬ソリッドプラチナム)から続く連続年JRA重賞勝利記録を「16」とした。これは史上7頭目の快挙。

 マイネルファンロンの生まれ故郷ビッグレッドファームは1982年創立。現在は北海道内外に5つの牧場を構えて、その総面積は515ヘクタール。年間約400頭の馬を生産する総合牧場だ。その歴史の中でマイネルキッツ(天皇賞(春)(G1))やドリームバレンチノ(JBCスプリント(Jpn1))ユーバーレーベン(オークス(G1))などを送り出してきた。本馬は、そのユーバーレーベンの半兄だ。

 「期待していた函館記念(G3)が不完全燃焼のような競馬でしたので、今回、人気はなかったですが今度こその気持ちで応援していました」と、レース前の期待を話してくれたのは同ファームの蛯名聡ゼネラルマネージャーだ。

 しかし、痛恨の出遅れ。「これまで、どちらかといえば先行力を武器に良績を残してきた馬なので思わず天を仰ぎましたが、前日の土曜日から芝コースは馬場の外側を通った馬が伸びる傾向がありましたので、あきらめずに馬を信じてテレビ画面の中の馬を目で追っていました」

 そんな蛯名マネージャーの思いに応えるように後方待機策から大外に持ち出されたマイネルファンロンは出走メンバー最速の上がりタイムでライバルたちを置き去りにした。「外に出して欲しいと思っていましたが、それがまさか外埒とは思いませんでした。レースのあとでラップタイムを見たら、最後1ハロン12秒1。最後は死力を尽くしてのレースだったことがわかりました」と分析してくれた。

 「もともと期待の大きな血統馬でしたが、ステイゴールドの子らしく、牧場時代は線が細いというか、牡馬としては少々頼りなさを感じさせる馬でした」というものの、デビューしたあとのマイネルファンロンは、2戦目で初勝利。スプリングS(G2)3着で権利を取って皐月賞(G1)にも駒を進めている。

 「4歳春には準オープン(現在の3勝クラス)特別を勝って、函館記念(G3)2着。重賞制覇はその時からの夢でしたが、前進気勢の強い馬でもあり、なかなかレースに行って噛み合わない時もありました。今回はデムーロ騎手が、今まで見えていなかった部分も含め、この馬の持ち味を十二分に発揮してくれた結果だと思います」と、半妹ユーバーレーベンに続くビッグタイトル獲得を喜んでいる。

 「妹のオークス(G1)優勝が、良い波を運んでくれたのかもしれませんし、この兄妹の重賞制覇は手塚調教師はじめ厩舎スタッフ、そしてミルコ・デムーロ騎手のおかげ。母のマイネテレジアは、残念ながら来年の出産予定はないのですが、ゆっくり英気を養って良い仔を生んでほしいと思います」とまだ見ぬ子に期待を膨らませている。