重賞ウィナーレポート

2021年06月06日 安田記念 G1

2021年06月06日 東京競馬場 曇 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ダノンキングリー

プロフィール

生年月日
2016年03月25日 05歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:12戦6勝
総収得賞金
515,056,000円
ディープインパクト
母 (母父)
マイグッドネス(USA)  by  Storm Cat(USA)
馬主
(株) ダノックス
生産者
三嶋牧場 (浦河)
調教師
萩原 清
騎手
川田 将雅

 日本中央競馬会の初代理事長も務めた安田伊左衛門氏の功績を称えて設立された「第71回安田記念(G1)」が6月6日、東京競馬場で行われ、川田将雅騎乗の8番人気ダノンキングリーが、1番人気で連覇を狙うグランアレグリアの追撃を抑えて優勝。7回目のG1挑戦で初優勝。通算成績を12戦6勝とした。

 ダノンキングリーの生産牧場は、浦河町の三嶋牧場。その歴史は長く、牧場として法人化されたのは1960年(昭和35年)だという。これまでその歴史の中でメイショウベルーガ(エリザベス女王杯(G1)2着)ミッキーチャーム(秋華賞(G1)2着)ほかカンタービレ(秋華賞(G1)3着)など数々の重賞勝ち馬を送り出してきたが、不思議とG1タイトルには恵まれなかった。ダノンキングリーもダービー(G1)2着、皐月賞(G1)3着の実力馬だが、今回が7度目のG1挑戦での初戴冠。その様子を牧場テレビで観戦していた同牧場の繁殖スタッフ玉置善隆さんが話してくれた。

 「前走(昨秋の天皇賞(秋)(G1))が残念な結果でしたが、しっかりと間隔を空けて立て直してくれたと思いましたので。このレースではキングリーらしく最後に伸びてくるような競馬をして欲しい」とレース前は思っていたそうです。ただ「とにかく相手が強いメンバーばかりでしたのでさすがに勝ち負けまでは想像していませんでした。とにかく次走に繋がるような競馬をしてくれたら、そのような結果になってほしいと応援していました」と当日の心境を話してくれた。

 昨年のエプソムカップ(G3)に勝ち、毎日王冠(G2)2着ダイワキャグニーの逃げで始まったレースはよどみのないペースで流れ、ダノンキングリーは後方待機。有力馬たちもそれぞれのポジションをキープしており、緊張感高まるレースとなった。玉置さんも息をひそめてレースを見ていたそうだが、手応えよく進出してくる愛馬を確認すると「残り200mくらいの地点では、思わず声を出していました。勝った瞬間はもちろん物凄く嬉しかったです!ですが、やった!というのではなく感動でしばらく言葉が出ませんでした。こんな思いができるなんて・・」と言葉を詰まらせた。

 その言葉の裏には、前走(天皇賞(秋)(G1)12着)、前々走(20年安田記念(G1)7着)と着順を落とし「もし、今回も思うような結果がでなかったら、もうキングリーのあの走りが見られないのでは」という思いもあったそうだ。そんな心配を払拭する走りに「まだ走れるんだということがわかって本当に良かったです」と言葉を弾ませた。

 そして「この勝利には陣営の並々ならぬ努力が垣間見えますし、ジョッキーの技術なしで勝利をあげることはできません。関係者の皆様にも感謝の気持ちでいっぱいです」と述べ「ダノンキングリーをずっと応援してくださっている皆様、ありがとうございます。これからもダノンキングリーらしい競馬ができるように頑張ってくれると思いますので応援をどうぞよろしくお願いいたします」という感謝の言葉で締めくくってくれた。