重賞ウイナーレポート

2021年03月23日 若草賞(GDJ)

2021年03月23日 名古屋競馬場 晴 重 ダ 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:パールプレミア

プロフィール

生年月日
2018年04月19日 03歳
性別/毛色
牝/芦毛
戦績
国内:8戦4勝
総収得賞金
14,150,000円
エスポワールシチー
母 (母父)
アルマエルモ  by  クロフネ(USA)
馬主
近藤 洋司
生産者
イワミ牧場 (新冠)
調教師
新子 雅司
騎手
笹田 知宏
  • パールプレミアの母アルマエルモ(9歳)と今年生まれた当歳馬
    パールプレミアの母アルマエルモ(9歳)と今年生まれた当歳馬
  • パールプレミアの半妹(牝当歳、父ロゴタイプ)
    パールプレミアの半妹(牝当歳、父ロゴタイプ)
  • 我が仔を可愛がる母パールプレミア
    我が仔を可愛がる母パールプレミア
  • イワミ牧場の放牧地
    イワミ牧場の放牧地
  • イワミ牧場の厩舎
    イワミ牧場の厩舎

 『グランダム・ジャパン(GDJ)2021』3歳シーズンの開幕戦「若草賞(名古屋)」を、兵庫からの遠征馬パールプレミアが優勝。大井から遠征してきたミラバーグマンとの叩き合いを制し、1番人気に応えて嬉しい初重賞勝利を飾った。

 パールプレミアの生まれ故郷は、新冠町のイワミ牧場。2014年のスプリンターズS(G1)を制したスノードラゴンや、2009年の兵庫ダービー馬カラテチョップ、2017年の岩手二冠馬キングジャガーなどの活躍馬を生産。現在の場主・岩見昌弘さんが3代目となる歴史ある牧場だ。

 「若草賞はインターネット中継を観ながら家族でパールプレミアの応援をしていました。スピードがあるのは間違いないのですが、どうしても行きたがるところがある馬で、厩舎スタッフもジョッキーも苦労されていたようです。若草賞も早めに先頭に立ち、直線は大井の馬との一騎打ちになったので、最後まで持つかどうか心配していました。よく頑張ってくれたと思います」と岩見さんはレースを振り返る。

 「生まれた頃のパールプレミアは小さくて、馬体的には決して目立つ方ではありませんでした。ただサイズの割に骨格がしっかりとしていて、将来活躍してくれそうな雰囲気は持っていましたね」とパールプレミアの幼少期について記憶をたどる。エスポワールシチーを交配した理由についても「母のアルマエルモが小柄な馬なので、少しでも大きな馬が生まれてほしいと思ってゴールドアリュール直仔のエスポワールシチーを選びました。思惑通りに大きな仔は生まれませんでしたが…(笑)。あと、ダートで堅実に走れる馬を生産したいという考えもありました」と教えてくれた。

 その母アルマエルモもイワミ牧場の生産馬だが、この血統には岩見さんも特別な想いがある。「私がビッグレッドファームで働いていた当時、コスモハイクラスという馬が繁殖にあがってきて、その初年度産駒であるドリームキューブ(父メジロブライト)に調教で乗っていたんです。『すごく走るな』という印象が強かったので、岡田繁幸社長にお願いしてコスモハイクラスを実家の牧場に譲ってもらいました」。この話にはつづきがあり、「コスモハイクラスは4番仔に父シックスセンスの牡馬を産んだのですが、同期にマイネカプリースが産んだ芦毛の牡馬(父アドマイヤコジーン)もいて、いっしょの放牧地で育っていたんです。その2頭を岡田繁幸社長と岡田牧雄社長(オカダスタッド)が同時期に見に来て、コスモハイクラスの仔を繁幸社長、マイネカプリースの仔を牧雄社長に買っていただきました。それが、のちのマイネルハイセンスとスノードラゴンなんです」と貴重なエピソードを明かしてくれた。

 岩見さんは10年近くビッグレッドファームで働いていたので、先日亡くなった岡田繁幸さんとの想い出は数えきれない。「薪ストーブを囲んで、いろんな話を聞かせてもらいました。『お前は将来、実家に戻って牧場を経営するのだから、しっかりしろ!』とよく怒られましたね。パールプレミアが生まれたのも祖母コスモハイクラスを譲ってもらったことがそもそもの始まりですし、繁幸社長には感謝の気持ちでいっぱいです。アルマエルモを含めてコスモハイクラスの血を引く繁殖がうちに3頭いるので、大切にしていきたいと思っています」と話す。

 母アルマエルモは現在9歳。今年も3月21日に、父ロゴタイプの牝馬を産んでいる。「3年つづけてロゴタイプの仔を産んでいるのですが、今年生まれた牝馬は小柄ながら馬体のバランスが良く、1番パールプレミアに雰囲気が似ている気がします。アルマエルモは生まれた仔をすごく可愛がる母馬なので、仔育てに関しては何の心配もしていません。順調に育って姉のように活躍してほしいと願っています」と生まれたばかりの仔にも期待を寄せている。

 パールプレミアは次走、地元・園田のクラシック一冠目「菊水賞」に挑戦したが、やはり行きたがる気性が災いして折り合いがつかず、残念ながら6着に敗れてしまった。「今後は距離と折り合いが課題になってくるでしょうね。厩舎スタッフの皆さんがパールプレミアのために一生懸命やってくれているので、何とかその期待に応えてほしいと思います」とエールを送る岩見さん。5月13日のGDJ 3歳シーズン第6戦「のじぎく賞(園田1700m)」で、進化した走りを見せてくれるかどうか楽しみだ。