2021年04月10日 阪神牝馬S G2
優勝馬:デゼル
プロフィール
- 生年月日
- 2017年02月18日 04歳
- 性別/毛色
- 牝/青鹿毛
- 戦績
- 国内:7戦4勝
- 総収得賞金
- 136,064,000円
- 母 (母父)
- アヴニールセルタン(FR) by Le Havre(IRE)
- 馬主
- (有) 社台レースホース
- 生産者
- 社台ファーム (千歳)
- 調教師
- 友道 康夫
- 騎手
- 川田 将雅
デビューから7戦目、重賞では3度目の挑戦となる阪神牝馬S(G2)で、ついに重賞ウイナーとなったデゼル。3歳時にはデビュー3戦目となるオークス(G1)で2番人気となったほどに高い能力を持っていた馬でもあるが、実は1歳の7月に、生命そのものが危ぶまれるほどの怪我を負っていた。
「夜間放牧の最中における、左脛骨遠位の骨折でした。期待も大きかった馬ですし、とにかく助けたい一心でした」と当時を振り返るのは、社台ファームの東礼治郎場長。その後は骨折箇所をかばうがばかりに、右後肢飛節の関節炎も発症したものの、社台ファームの獣医陣や装蹄師の治療、そしてケアもあって、デゼルは驚異的な回復を遂げていく。
「1歳厩舎スタッフも一生懸命に面倒を見てくれました。そう考えると、その年の11月には馬場で乗れるところまで辿りついたのが、信じられない思いもしています」
デビューは3歳の3月と遅くなったものの、そこで鮮やかな末脚を披露すると、続くスイートピーSも快勝。オークスで(G1)は無敗の桜花賞馬デアリングタクトを向こうに回し、2番人気の評価を集める。
そのオークス(G1)では11着。休養を挟んだ秋初戦となるローズS(G2)でも4着と、重賞の壁に出世を阻まれた感もあったが、東場長は「その敗戦が糧になったのでは」とも話す。
初音Sを快勝して臨んだこの阪神牝馬S(G2)では、重賞勝ち馬たちを向こうに回して1番人気の評価を与えられる。道中は8番手からレースを進めていき、最後の直線では最大の武器でもある、上がり3ハロン32秒5の末脚を披露。最後は同じように中団から流れ込んできた、同世代の社台ファーム生産馬であるマジックキャッスルをクビ差凌いで、重賞ウイナーへと上り詰めた。
「重賞初勝利は嬉しくもありましたが、私個人としては出世すればするほど、足元と体への心配が増していくのも事実です。それだけに日々の調整にも気を使ってくれている友道先生や厩舎のスタッフ、図ったかのように勝ちきってくれた川田騎手には感謝の気持ちでいっぱいです。そして何よりも、デゼルの復活を信じて待ってくださった、出資会員の皆さんの熱意には本当に支えられました。この場を借りてお礼をさせていただきます」
次走はヴィクトリアマイル(G1)への出走を表明。末脚を発揮するに申し分ない東京競馬場の舞台で、次はオークス(G1)のリベンジを果たしに行く。