2021年05月02日 天皇賞(春) G1
優勝馬:ワールドプレミア
プロフィール
- 生年月日
- 2016年02月01日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:11戦4勝
- 総収得賞金
- 455,943,000円
- 母 (母父)
- マンデラ(GER) by Acatenango(GER)
- 馬主
- 大塚 亮一
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 友道 康夫
- 騎手
- 福永 祐一
ノーザンファーム山内厩舎の勢いが止まらない。4月25日のマイラーズC(G2)を、育成馬であるケイデンスコールが優勝し、5月1日の青葉賞(G2)も同じく育成馬のワンダフルタウンが優勝。そして、天皇賞(春) (G1)でも育成馬のワールドプレミアが、菊花賞(G1)以来となる勝利をG1制覇で飾った。
「体調不良もあり、牧場での調整をしていた昨年の同じ時期を考えると、一年後にG1を勝てたのが信じられない思いもします」と話すのは山内厩舎長。古馬の短距離(ケイデンスコール)、ダービートライアル(ワンダフルタウン)に続き、次は古馬の長距離と、全く違ったカテゴリーで重賞馬を送り出したことは、馬の成長や個性にあったトレーニングを行ってきたからと言える。しかしながら、ワールドプレミアは復帰を目指しての調整という、また違った管理を求められた。
「先生とも話して、馬の回復に合わせながらゆっくりやっていこうということになりました。6月頃から本格的な調教を始めたのですが、華奢に思えた馬体も徐々に幅が出てきて、ちょうどこの休養が成長力を引き出しているのではとさえ思えた程です」(山内厩舎長)
復帰戦がジャパンC(G1)となった時、山内厩舎長は正直、間に合わないのではと思った時期もあったという。
「まだ戻り切っていないかなと思っていたにも関わらず、ジャパンC(G1)を使って馬が良くなりましたし、日経賞の後に状態が上向きになったと聞いて、これなら天皇賞(春) (G1)はいいところがあるのではと思っていました」
1週前追い切り、そして追い切りの後に関係者が語っていたコメントも、軒並み状態の良さを伝える内容ばかりが並んでおり、期待をしながら迎えたレース当日。パドックを歩くワールドプレミアは、TVの前からでも状態の良さがうかがえただけでなく、牧場で見た時よりも更に成長を遂げた印象があった。
「ディープインパクト産駒にしては大柄ではありますが、この日のパドックを見ても全く重苦しさは感じられませんでした。距離の心配もしていませんでしたし、あとは無事に走ってくれればと思っていましたが、本当に強い勝ち方を見せてくれました」
京都競馬場の改修工事に伴って、27年ぶりに阪神競馬場での開催となった、今年の天皇賞(春)(G1)。ワールドプレミアは阪神コースでは勝ち鞍をあげていないものの、それでも2戦して複勝圏を外したことがないコース巧者でもあり、そこに1枠1番からの出走となったことで、ロスなくレースを運んでいく。
最後の直線では外に進路を取りながら、先に抜け出したカレンブーケドール、そしてディーブボンドを射程圏に置くと、そこから一気に交わしていく。勝ち時計の3分14秒7はコースレコードでもあり、強さと速さを両立したG1制覇ともなった。
「タフなレースだったと思いますし、それを力でねじ伏せたわけですから、本当に強い馬だと思います。改めて、よく復活してくれたなと思いますし、いい状態でここに望ませてくれたノーザンファームしがらきのスタッフ、そして友道厩舎のスタッフにも感謝するだけです」
レースの後は放牧され、友道調教師からも秋はジャパンC(G1)を最大目標にすることが発表された。昨年はベストな状態で望めなかったレースでもあるが、今年はそのリベンジを果たしてくれるに違いない。