2021年03月21日 阪神大賞典 G2
優勝馬:ディープボンド
プロフィール
- 生年月日
- 2017年02月18日 04歳
- 性別/毛色
- 牡/青鹿毛
- 戦績
- 国内:11戦3勝
- 総収得賞金
- 758,448,000円
- 馬主
- 前田 晋二
- 生産者
- 村田牧場 (新冠)
- 調教師
- 大久保 龍志
- 騎手
- 和田 竜二
天皇賞(春)(G1)に向けての重要な前哨戦「第69回阪神大賞典(G2)」が3月21日、阪神競馬場芝3000mコースで行われた。2021年は、京都競馬場改修工事のため、本番となる天皇賞(春)(G1)も阪神競馬場で行われることが決まっており、例年以上に注目される中、勝ったのは、北海道市場セレクションセール取引馬で、3番人気のディープボンド。道中は好位置をキープすると、手応え十分で進出。最後の直線では早めに先頭に立つと、そのまま後続に5馬身差をつける完勝劇だった。
ディープボンドの生まれ故郷となる村田牧場は1930年(昭和5年)創業。現在は本場と分場、そして中期育成を担う1歳の分場を構え、家族と数名のスタッフで毎年20頭前後の馬を生産している牧場だ。
その歴史の中でローレルゲレイロ(最優秀短距離馬)や南関東初の三冠牝馬チャームアスリープ、岩手競馬出身で桜花賞(G1)2着、オークス(G1)2着と活躍したユキノビジン。あるいは現役の活躍馬モズベッロなどを送り出している牧場だ。
出産、種付けと多忙な季節。同牧場で生産部門を受け持っている村田洋幸さんは「なかなか牧場を離れられない季節ということもありますが、無観客競馬でしたので」と牧場テレビでの観戦となったそうだ。
朝から降り続いた雨はレース時間の前にはあがったものの、発表されていた馬場状態は重馬場。「負けたとはいえ、デビュー戦の内容から(重馬場が)苦手という感覚はなかったです、むしろ、ほかの馬が気にするようなら有利にレースを運べるかなってそう思いました」
しかし、同距離で行われた菊花賞(G1)で先着を許している圧倒的人気馬がいたこと、そして人気を背負っていた中山金杯(G3)が不甲斐ない内容だったことから「そんな馬を相手に、どんな競馬をしてくれるのだろうか」と半信半疑の思いを抱えながらの応援だったという。そんな生産者の思いを、愛馬は良い意味で裏切ってくれる。
「(後方に構えていた)人気馬がいつ来るのだろうかと思って見ていましたが、あれよあれよと差を広げてくれて」。終わってみれば、人気馬には菊花賞(G1)で付けられた差以上の差をつけて先頭ゴールインを果たしている。
「誤解を恐れずにいえば、びっくりしました。セレクションセールで高い評価をいただいたオーナーには感謝していますし、そんなオーナーに少しでも恩返しができ、喜んでいただけたら嬉しいです」と白い歯を見せた。
牧場時代のディープボンドについては「私が担当したのは離乳までですが、普段の手入れのときから、頭の良さを感じさせてくれる馬でした。けがや病気とは無縁で、獣医師の方からも、賢い馬だね、というような言葉をいただいたことを覚えています」と述べ「天皇賞(春)(G1)は悔いの残らないような競馬を期待ですね」と楽しみにしている。