重賞ウイナーレポート

2021年04月03日 ダービー卿ChT G3

2021年04月03日 中山競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:テルツェット

プロフィール

生年月日
2017年04月20日 04歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:6戦5勝
総収得賞金
93,816,000円
ディープインパクト
母 (母父)
ラッドルチェンド  by  Danehill Dancer(IRE)
馬主
有限会社シルク
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
和田 正一郎
騎手
M.デムーロ
  • 橋口厩舎長がC6厩舎を任せられてからは、初めての重賞馬となる
    橋口厩舎長がC6厩舎を任せられてからは、初めての重賞馬となる
  • 雪囲いも外された
    雪囲いも外された

 1勝クラスから4連勝での重賞制覇。4歳を迎えて本格化を迎えた感もあるテルツェット。この4戦ともにディープインパクト産駒らしい切れのある走りを見せているが、育成時における馬体もまた、現役時のディープインパクトを彷彿とさせるかのような小柄な馬だった。

 「こちらに移動してきたばかりの頃は、飼い葉食いが良くなかったこともあって、なかなか馬体が大きくなりませんでした。ディープインパクト産駒らしいスピードはありましたが、それでも調教では無理をさせることなく、じっくりと進めることを心がけていました」と話すのは、育成を手掛けたノーザンファーム空港の橋口敦史厩舎長。他の育成馬が入厩を始めた2歳の春でも、速い時計を出すことなく、体力づくりに専念させてきたテルツェットだが、その効果が表れてきたかのように、日に日に飼い葉食いが良くなっていき、走りにも力強さが出てくるようになっていった。

 「8月下旬にノーザンファーム天栄に送り出した頃には、馬体重、動きともに安定感が増していました。このまま右肩上がりの成長を遂げてくれたら、いいところもあるのではないかと思っていました」と橋口厩舎長は話す。その期待通りにメイクデビューを勝利すると、続くミモザ賞は季節外れの降雪による順延と、馬場悪化の影響も出たのか3着に敗退。メイクデビューの勝ち方を見て、クラシックへの期待も高まったと話す橋口厩舎長であるが、後々を振り返った時、ここで無理をさせないで良かったかもしれません、とも話す。

 「続くレース(3歳上1勝クラス)も怪我(前頭部の裂創)で取りやめとなりましたが、ノーザンファーム天栄での調整を挟んだ後の村上特別の勝ち方が、タイムも含めて良かったですし、上のレベルでも通用する馬だと改めて思いました」

 デビュー6戦目にして初めての重賞挑戦となったダービー卿ChT(G3)。連勝の勢いも評価される形で3番人気の支持を集めたが、「それまでのレース内容も良かったですが、それでも強いメンバーとレースをするのはこれが初めてでしたし、その意味でも試金石となる一戦だと思っていました」と橋口厩舎長は話す。

 レース当日は土曜日で、共に働く厩舎スタッフの多くが出勤。レースが行われる時間は休憩所のTVの前に待機していたが、橋口厩舎長だけは育成馬が管理されている馬房の中にいた。

 「補液を必要とする馬がいたので、自分はスマホでグリーンチャンネルを流しながら、横目でレースを見ていました。最後の直線で先頭に立った時には、正直驚きましたが、その後、立て続けに勝利を喜んでくれる連絡をいただいたことが、この上なく嬉しかったですね」と橋口厩舎長は歓喜の瞬間を振り返る。補液を終えて休憩所に戻ると、テルツェットの調教を任せてきたスタッフが喜びを露わにしていた姿を見て、更に喜びが湧いてきたとも振り返る。

 「テルツェットは自分がこの厩舎を任せられてから、初めての重賞馬となります。これも共に働いてくれたスタッフのおかげであり、そして大事に管理してくれたノーザンファーム天栄や、和田(正一)先生や厩舎スタッフの皆さんのおかげだと思っています。レースの後に連絡をいただいた方や、応援していただいた会員の方も含めて、改めて皆さんに感謝したい重賞勝利となりました」

 次走はヴィクトリアマイル(G1)に決定。この勢いのままにテルツェットだけでなく、橋口厩舎長にとっても、G1初制覇へとひた走る。