重賞ウィナーレポート

2021年03月27日 毎日杯 G3

2021年03月27日 阪神競馬場 晴 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:シャフリヤール

プロフィール

生年月日
2018年04月13日 03歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:3戦2勝
総収得賞金
603,847,000円
ディープインパクト
母 (母父)
ドバイマジェスティ(USA)  by  Essence of Dubai(USA)
馬主
(有) サンデーレーシング
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
藤原 英昭
騎手
川田 将雅

 ノーザンファーム空港B5厩舎の勢いが止まらない。スプリングS(G2)を勝利したヴィクティファルスに続き、毎日杯(G3)でもシャフリヤールが芝1800mのJRAレコードタイとなるタイム(1分43秒9)で優勝。賞金でのクラシック出走を確定させた。

 全兄に皐月賞(G1)と大阪杯(G1)を制したアルアインがいるシャフリヤールであるが、B5厩舎を管理する佐々木厩舎長は、同配合で先日、オープン入りを果たしたダノンマジェスティの育成調教も行ってきた。

 「現役時のアルアインや、育成を手掛けてきたダノンマジェスティも大型馬だったにも関わらず、シャフリヤールは育成時の馬体重が400kgを切っていたような、小柄な馬でした。ダノンマジェスティの成長をなぞらえることはできませんでしたし、成長を促しながら、馬体を膨らませていくという、他の育成馬ともまた違ったメニューで進めてきました」(佐々木厩舎長)

 乗り出しの頃から背中の良さや、バネの利いた走りは父であるディープインパクトらしさがあったものの、それでも動きにはなかなか芯が入ってこなかった。変化が出てきたのは2歳の春になってからで、強めの調教をしても身体が崩れないようになり、それにつれて動きもしっかりとしてきた。

 7月には函館競馬場に移動してゲート試験に合格。そこで環境の変化も感じ取ったのか、そこから更に良化を遂げていき、入厩の目処も立つようになってきた。

 「育成時から切れる脚を使える馬になると見ていましたし、それを生かせる筋肉の発達も目覚ましくなってきました。送り出した段階でも、まだまだ上積みが残っていると思いましたが、それだけにデビュー後の活躍や、毎日杯(G3)で見せたパフォーマンスには驚かされました」(佐々木厩舎長)

 1000m通過が57秒6というハイペースの流れを、前々でレースを進めたシャフリヤール。最後の直線で先頭に躍り出ると、後ろから迫ってきたのが1番人気に支持されたグレートマジシャンだった。しかしながら、小柄な馬体の全てを占めているかのようなスピード能力を発揮し、最後はクビ差凌いでの勝利。一気に3歳世代の主役に躍り出た。

 「あの時計には驚かされました。それでも川田騎手がうまく乗ってくれましたし、いい状態で使ってくれた藤原(英昭)先生や厩舎の皆さん、ノーザンファームしがらきスタッフのおかげだと思います」と佐々木厩舎長は関係者への感謝を口にする。この3歳世代は勝ち鞍こそ多かったが、なかなか重賞馬が現れず、悩んだ日々もあったと話してくれる。

 「その中でシャフリヤールやヴィクティファルスのように、じっくりと乗り込んできた馬が、重賞で結果を残してくれたことは嬉しかったですし、より個々の馬にあった管理をしていこうとの思いが強くなりました。一緒になって取り組んでくれた厩舎スタッフにとっても自信になったと思いますし、2頭共にクラシックではいいレースを見せてもらいたいです」(佐々木厩舎長)

 レース後、シャフリヤールはダービー(G1)への出走を表明。元々持ちあわせている高いスピード能力と、血統馬らしい成長が相成った時、ダービーレコードすらも、塗り替えられるのかもしれない。