重賞ウィナーレポート

2021年03月06日 オーシャンS G3

2021年03月06日 中山競馬場 晴 稍重 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:コントラチェック

プロフィール

生年月日
2016年04月01日 05歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:15戦5勝
総収得賞金
150,892,000円
ディープインパクト
母 (母父)
リッチダンサー(GB)  by  Halling(USA)
馬主
(有) キャロットファーム
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
藤沢 和雄
騎手
丸山 元気
  • ディアドラの育成も行われた
    ディアドラの育成も行われた
  • 佐藤厩舎長の笑顔も弾ける
    佐藤厩舎長の笑顔も弾ける

 中山巧者が芝のスプリントで初勝利、そして重賞3勝目をあげた。

 3歳のターコイズS(G3)以降、勝ち鞍から遠ざかっていたコントラチェックであったが、2走前のラピスラズリSからは続けて芝1200mの条件を使われ続ける。着順こそ伴わなかったものの、育成を手掛けていた佐藤洋輔厩舎長は、この条件における適性の高さを感じ取っていた。

 「ラピスラズリSも前が空いていれば、また違った結果になったかもしれなかったですし、シルクロードS(G3)も馬場の悪くなったところを走っていて、伸びきれなかった印象がありました。オーシャンS(G3)はラピスラズリSと同じ中山コースでしたし、いいポジションで競馬ができれば面白いのではとも思っていました」(佐藤厩舎長)

 ちょうど、佐藤厩舎長から話を聞かせてもらった時期は、2歳馬取材とタイミングが重なったが、当時のコントラチェックは育成時から高い能力を見せており、クラシック候補として名前を挙げた馬でもあった。

 「高いスピード能力を持ちあわせていましたが、まさかスプリントでも高い適性があるとは思っていませんでした。こちらにはほとんど戻ってきたことがなかったので、乗った感じを含めて、どんな馬になっているかは把握できていませんが、それでも藤沢先生や厩舎の皆さん、そしてノーザンファーム天栄のスタッフが、勝ちきれない時期でもあきらめることなく、様々なことに取り組んでくれた結果が、芝のスプリントという条件だったのでしょう」(佐藤厩舎長)

勝ち鞍から遠ざかっていた時期は、「これがコントラチェックにとっての限界なのでは」と思ったこともあると話す佐藤厩舎長。だが、どこかで復活を願っていた思いは、自分の手を離れてからの管理を担当する関係者も一緒であり、このオーシャンS(G3)もいい状態でレースに臨めるとの報告が届いていた。

 前向きさも出たのか、ゲートが開いてから掛かり気味の走りとなったが、結果的にはこれが大正解となった。最後の直線では先に抜け出したカレンモエを捉えにかかり、最後はハナ差交わしての勝利。その走りはスプリンターとしての高い資質を、改めて証明する形ともなった。

 高松宮記念(G1)の優先出走権を得たレースともなったが、出走を見送って、サマースプリントシリーズへの参戦を表明。現在はノーザンファーム天栄での調整が行われている。

 「これも同じ中山芝1200mで行われるスプリンターズS(G1)を睨んでのローテーションだと思います。陣営がこの馬のことをしっかりと考えてくれている証だと思いますし、夏はスプリンターとしてどんな走りを見せてくれるか楽しみになってきました」と期待を寄せる佐藤厩舎長。デビュー前に抱いていたクラシック制覇の夢は、スプリントG1制覇へと変わったかもしれないが、スプリンターとして未知の魅力を秘める、その走りから目が離せない。