重賞ウィナーレポート

2021年02月13日 クイーンC G3

2021年02月13日 東京競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:アカイトリノムスメ

プロフィール

生年月日
2018年04月16日 03歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:4戦3勝
総収得賞金
222,680,000円
馬主
金子真人ホールディングス (株)
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
国枝 栄
騎手
戸崎 圭太
  • 屋内周回コースへ入っていく育成馬たち
    屋内周回コースへ入っていく育成馬たち
  • ソダシもこの厩舎から送り出された
    ソダシもこの厩舎から送り出された

 史上3頭目の三冠牝馬となったアパパネ。その4番仔となるアカイトリノムスメが、母に最初の重賞タイトルを授けただけでなく、母の後を追うように、クラシック戦線に名乗りをあげた。

 「アパパネは自分の管理していた厩舎の育成馬でもあり、今でも特別な馬です」と話すのはノーザンファーム空港の窪田淳調教主任厩舎長。実はアカイトリノムスメが、母の仔としては初めての管理馬ともなった。

 「これまでの産駒に牡馬が多く、自分の元に来る可能性が高くなる、牝馬を待ちわびていたのは事実でした。育成厩舎に来た頃は幼いというイメージがありましたが、それでも馬体のバランスに秀でており、見た目にも能力がありそうだと感じていました」

 乗り出してみると、馬体の良さとは違い、動きには非力さも感じさせていた。

 「競走馬となってからは馬体も増え、どっしりと構えていた感もあるアパパネですが、この時期は同じように動きには物足りなさもありました。母仔ともに芯が入ってくるのが遅いのは一緒だなとは思いましたが、それよりもアカイトリノムスメの方が、しっかりしてくるのに時間がかかる印象がありました」

 馬体も同じころのアパパネより小柄だったというアカイトリノムスメではあったが、その分、母には無かったあるセールスポイントを持ちあわせていた。それこそがクイーンC(G3)でも示した走りの軽さだった。

 「デビュー前にこちらで調整していたころから、軽さのある動きは目を引いていましたし、それはこの馬自身の長所だと思っていました。欲を言えば、まだ身体が大きくなれば更に良くなるのではと思っていました。ただ、まだ競走馬として完成しきって無くとも、いい競馬ができると思っていましたし、自信を持って送り出した馬です」

 メイクデビュー新潟では7着に敗れたものの、続く2歳未勝利戦、赤松賞とメンバー中上がり最速の脚を繰り出して、見事に優勝。このクイーンC(G3)でも、中段からレースを進めていくと、残り1ハロンで一気に末脚を伸ばしていき、ゴール前ではアールドヴィーヴルとのたたき合いを見事に制して見せた。

 「今回はいい場所でレースを運べたのも大きいと思います。次走も同じような位置取りで運べたのなら、安心してレースを見ていられると思いますし、アパパネのようにアカイトリノムスメもしっかりと成長してくれているので、今後の活躍も楽しみです」

 実は同じ窪田調教主任の管理馬には、同じ金子オーナーの所有馬で、昨年の2歳女王となったソダシもいる。

 「いつかは対戦する機会もくるとは思っていましたが、楽しみであり、どちらかが負ける姿は、あまり見たくはないですね」と苦笑いを浮かべる窪田調教主任だが、競馬ファンにとっても馬名に入った「赤」と、その毛色から「白」とも言える2頭が対決する桜花賞(G1)は、注目の一戦となりそうだ。