重賞ウイナーレポート

2019年05月25日 葵S(重賞)

2019年05月25日 京都競馬場 晴 良 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ディアンドル

プロフィール

生年月日
2016年02月14日 03歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:6戦5勝
総収得賞金
115,228,000円
ルーラーシップ
母 (母父)
グリューネワルト by スペシャルウィーク
馬主
有限会社シルク
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
奥村 豊
騎手
藤岡 佑介
  • ディアンドルと同世代となる村上厩舎の育成馬には、阪神JFの勝ち馬となったダノンファンタジーもいる
    ディアンドルと同世代となる村上厩舎の育成馬には、阪神JFの勝ち馬となったダノンファンタジーもいる
  • 屋内周回コースなど、充実した施設を誇るノーザンファーム早来
    屋内周回コースなど、充実した施設を誇るノーザンファーム早来

 デビュー戦こそ敗れたものの、そこから破竹の5連勝で重賞制覇。それだけでもディアンドルの凄さは証明されているが、そこに「3歳牝馬が約10か月の期間内で」「デビューから全て違う騎手で」「全て芝1200mの条件を」との言葉を加えていくと、この葵ステークスの勝利が、とんでもない大記録だということが分かる。育成を手がけたノーザンファーム早来の村上隆博厩舎長も、「このレース選択やローテーションがディアンドルに合っていたのだと思いますが、芝スプリントのスペシャリストと言えるような強さには、本当に驚かされています」と話してくれる。

 イヤリングから村上厩舎に来た頃から、さぞ、スプリンターとしての適性を示していたであろうと思っていたディアンドルであるが、実際のところは、全く正反対の評価をしていたという。

 「体型的にはコロンとしていて、サイズも大きく無く、馬体が詰まっているような印象がありました。調教を重ねながら垢抜けていくだろうとは思っていましたが、それでも早い時期にデビューできそうな雰囲気は無かったですし、何よりもスプリント向きと言えるスピード能力があるようには感じられませんでした」

 しかしながら、順調に調教メニューを消化していく中で、ディアンドルの馬体は変化を見せ始める。馬体は筋肉質に変貌し、コロンとしていたはずの馬体は、いつしか充分な幅も有するようになっていた。それにつれて気性面も前向きさが出てくるようになっただけでなく、スピードに乗った動きも見せるようになっていた。

 「この血統は芝の短距離向きの印象もあっただけに、それが調教を重ねながら表に出てくるようになったのでしょう。デビュー戦、そして勝ち上がった2戦目と芝のスプリントとなりましたが、そのレース内容を見る限り、マイルまで伸ばしても対応できるなと思っていました」

 しかしながら、陣営が次に選んだのも芝の1200mで行われたカンナS。そこで勝利したディアンドルは年末のクリスマスローズSでオープン2勝目をあげ、年明けにも同条件で行われたマーガレットSを優勝。3歳牝馬ながらにして「芝のスプリンター」としての評価を揺るがないものとしていく。

 「距離は一緒でも、コースも問わず勝ってくれていましたし、この血統らしい気の強さが、芝のスプリントでは生かされるのかもしれません。これまでは能力の違うレースを見せていてくれましたが、今回は重賞でメンバーも揃った印象もあっただけに、ドキドキしながらレースを見ていました」

 先行勢を前に置きながらレースを進めた葵ステークスとなったが、最後の直線で先に抜け出すと、後方から追い込んできたアスターペガサスを振り切って優勝。改めて3歳最強スプリンターの座を不動のものとした。

 「スムースな競馬をしていたので、これなら勝てると思いましたが、ゴール前で2着馬(アスターペガサス)が迫ってきたときには、やはりドキドキしました(笑)。それでも逃げなくても結果を残せるなど、レースぶりに幅も出てきた印象もありますし、その意味でも収穫の多いレースだったと思います」

 この勝利で管理をする奥村豊調教師は、開業5年目にして初めての中央重賞勝利となった。

 「先生も喜んでいてくださったのが何よりも嬉しかったです。ここまで連勝を重ねてこられたのも、先生やスタッフの皆さん、そして、ノーザンファームしがらきのスタッフのケアがあってのことだと思います」

 「成長力も秘めていますし、まだまだ強くなってくれそうです」と村上厩舎長からエールを送られたディアンドル。今後は古馬も相手となっていきそうだが、そこでも連勝をどこまで伸ばしてくれるのか注目したい。