重賞ウイナーレポート

2019年05月19日 オークス G1

2019年05月19日 東京競馬場 晴 良 芝 2400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ラヴズオンリーユー

プロフィール

生年月日
2016年03月26日 03歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:4戦4勝
総収得賞金
172,949,000円
ディープインパクト
母 (母父)
ラヴズオンリーミー(USA) by Storm Cat(USA)
馬主
DMMドリームクラブ (株)
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
矢作 芳人
騎手
M.デムーロ
  • 岡厩舎では昨年の年度代表馬に輝いたアーモンドアイの育成も手がけている
    岡厩舎では昨年の年度代表馬に輝いたアーモンドアイの育成も手がけている
  • 調教コースまでの道のりには練習用のゲートも置かれていた
    調教コースまでの道のりには練習用のゲートも置かれていた

 桜花賞(G1)を制したグランアレグリアがNHKマイルC(G1)へと出走。その桜花賞(G1)出走馬たちも名を連ねた今年のオークス(G1)だったが、1番人気の支持を集めたのは、忘れな草賞を勝利してこの舞台へと臨んできたラヴズオンリーユーだった。

 「G1での1番人気という評価は光栄であり、そして驚きでもありました」とはノーザンファーム早来の岡真治厩舎長。2017年に行われたセレクトセールの当歳セクションでは、リアルスティールの全妹という血統背景も後押しする形で、1億7,280万円(税込)という高い評価がされ、その後、DMMドリームクラブでクラブ法人としての募集が開始。クラブの動画ではコンスタントにその動向がアップされるなど、まさに生まれながらにして高い注目度を集め続けてきた。

 岡厩舎長はラヴズオンリーユーが育成厩舎に移動してきた時のことを振り返る。

 「能力の高さを感じさせる動きはしていましたが、その一方でメンタル面がまだ幼く、周りに馬がいなくなると物見を始めるので、調教にも苦労しました」

 また、セレクトセールでも評価されたように、すらっとした外見は見栄えこそしていたが、調教を重ねても逞しさが出てこなく、管理をする矢作芳人調教師とも話した結果、時間をかけて乗り込んで行く方針が決まった。

 それが功を奏したのか、入厩を控えた2歳の秋を迎えてから、ラヴズオンリーユーは馬体、そして動きと一気に良化を遂げていく。

 「まだ馬体は出来上がっていませんでしたが、それでも来た頃との比較ではイメージが全く違っているような印象もありました。調教でもこちらのアクションにさっと動けるような反応の良さがあっただけでなく、心肺機能も高い数値を計時しており、これなら来年のクラシックも目指せるのではと思えるようになりました」

 矢作厩舎に入厩後も、「坂路で速い時計を出しても、ケロッとしているようなポテンシャルの高さが感じられる」との評価が岡厩舎長の元には届くようになる。11月に行われたメイクデビュー京都では、2着馬に11/4馬身差を付けて快勝。そして2戦目の白菊賞では、衝撃のパフォーマンスを見せる。出遅れて後方からのレースとなったラヴズオンリーユーであるが、徐々にポジションを上げていくと、最後の直線では大外に進路を構える。末脚を使ったのは正味、最後の一ハロンだけ。しかしながらフットワークの大きさで、あっという間に先頭に立つと、その差を更に広げていった。

 「勝ち時計(1分33秒6)も優秀でしたし、このレースを見たときに、ひょっとしたらひょっとするのではと思えるようになりました」

 しかし、目標としていた年明けのエルフィンS出走を前にフレグモーネを発症。陣営は目標をオークス(G1)出走へと切り替え、忘れな草賞へ出走するのだが、そこでも約4か月ぶりのレースとは思えないような強いレースを見せる。

 「矢作先生や厩舎スタッフの皆さんは仕上げにも苦労したと思いますが、それだけにあのレース内容には驚かされました。これならオークス(G1)でも行けるという確信にもなりました」

 そのオークス(G1)はまさにラヴズオンリーユーという競走馬の、能力の違いを証明したレースとなった。よどみの無い流れでレースが進んでいく中、ラヴズオンリーユーは馬群の中団をキープ。最後の直線では外へ進路を向けていく。

 「4コーナーを回った時に、多少はもたっとした感じもありましたが、仕掛けた時の反応を見て大丈夫だと思いました。前を行く馬を交わせると信じて声援を送っていましたが、それでもゴール前は力が入りました」

 先に抜け出したのは、好位からロス無く立ち回っていたカレンブーケドール。ラヴズオンリーユーは馬体を並べて叩き合いに持ち込むと、最後はクビ差先に出てのゴール。2分22秒8はオークスレコードでもあり、この勝利で鞍上のM.デムーロ騎手は、史上10人目となるクラシック完全制覇を達成した。

 そして岡厩舎長にとっても、この勝利は昨年のアーモンドアイに続く、育成馬での連覇となった。

 「またクラシックに勝てる馬を手がけられたことを嬉しく思います。このオークス(G1)ではノーザンファーム関係馬も数多く出走していましたが、その中でも早来で牝馬を任せられている4厩舎の育成馬が全て名を連ねていたことは凄いと思います。改めて全ての厩舎に目を配ってもらっている、日下調教主任に感謝したいです」

 無敗でのオークス制覇は史上5頭目となる快挙。まさに「スターホース」としての称号も手にしたラヴズオンリーユーだけに、今後は厩舎の先輩で、今や「スーパーホース」となった、アーモンドアイとの対決も現実味を帯びてきている。

 「そうなったら嬉しいですが、レースではどちらを応援していいか迷いますね」と岡厩舎長は笑顔を見せてくれた。