重賞ウィナーレポート

2018年09月23日 オールカマー G2

2018年09月23日 中山競馬場 晴 良 芝 2200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:レイデオロ

プロフィール

生年月日
2014年02月05日 04歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:9戦6勝
総収得賞金
881,550,000円
キングカメハメハ
母 (母父)
ラドラーダ  by  シンボリクリスエス(USA)
馬主
(有) キャロットファーム
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
藤沢 和雄
騎手
C.ルメール

 ワグネリアンが神戸新聞杯(G2)を制したのと同じ日に、オールカマー(G2)に出走していたレイデオロは1番人気の支持に応えて見事に優勝。異なる世代の日本ダービー馬による、同日の重賞制覇は史上初めての快挙ともなったが、この2頭のダービー馬の育成を手がけたノーザンファーム空港の大木誠司厩舎長にとっても、同日での重賞制覇は初めての経験だった。

 「複数の育成馬が、同じ日の重賞に出走したことは何度かありましたが、それでも、それぞれのレースで勝利したのは記憶にありません」

 数々の名馬を育成した大木厩舎長でも、初めての快挙となった2頭のダービー馬だが、レイデオロは昨年の神戸新聞杯(G2)以降、勝ち鞍から遠ざかっていた。

 「能力の高さは証明していましたが、それでも勝ちきれないレースが続いていましたし、今回も折り合い面が鍵となると見ていました」

 日本ダービー(G1)では1000m通過が63秒2のスローペースとなると、道中で一気にポジションをあげていきながら、逃げ馬の後ろに入り2番手をキープ。そのまま最後の直線に向かうと、鮮やかに先頭へと踊り出て勝利を収めたレイデオロであるが、前走のドバイシーマクラシック(G1)では、同じスローペースながらも、折り合い面の難しさを見せて4着に敗れた。

 スタートのタイミングが合わず、中団後方からのレースを余儀無くされたレイデオロであったが、そこからポジションを上げていき、最後の直線では先に抜け出したアルアインを射程圏内に置く。

 「折り合い面の不安もありませんでしたし、ルメール騎手が馬を引っ張るような行きっぷりの良さも見せてくれました。馬群から抜け出してきた時には行けると思いましたし、改めて強いレイデオロの姿を見せてくれたと思います」

 先日、次走のローテーションが発表されたが、レイデオロは10月28日に行われる天皇賞(秋)(G1)に向かうこととなった。そしてこのレースには、大木厩舎長が手がけた、もう一頭の日本ダービー馬であるワグネリアンも出走を表明している。

 「いつかは2頭が対決する日も来るとは思っていましたが、それがG1の舞台、しかも天皇賞(秋)(G1)とは凄いことだと思っています。ワグネリアンだけでなく、レイデオロも休み明けのレースを使って更に状態も上がってくるでしょうし、2頭共にいいレースを見せてもらいたいです」

 その大木厩舎長に、「どちらに勝って欲しいですか?もしくはワンツーフィニッシュですか?」と訪ねると、「レイデオロとワグネリアンのどちらかが勝ってくれのなら、それで充分です」との言葉が返ってきた。今年のダービー馬と昨年のダービー馬の対決となる今年の天皇賞(秋)(G1)。競馬ファンにとっても、この秋における注目のレースとなりそうであるが、誰よりもこのレースを楽しみにしているのは、大木厩舎長なのかもしれない。