重賞ウィナーレポート

2016年02月07日 きさらぎ賞 G3

2016年02月07日 京都競馬場 晴 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:サトノダイヤモンド

プロフィール

生年月日
2013年01月30日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:3戦3勝
総収得賞金
865,124,000円
ディープインパクト
母 (母父)
マルペンサ(ARG)  by  Orpen(USA)
馬主
里見 治
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
池江 泰寿
騎手
C.ルメール

 デビュー前から注目を集めていたサトノダイヤモンド。それは、2013年セレクトセールでの当歳セッションにおいて2億4,150万円(税込)という、このセール2番目の高評価がされた時から始まっている。

 その際、最も高い評価(2億5,200万円(税込))がされたロイカバードとのメイクデビューは、「5億円対決」として注目を集め、そこで勝利すると500万下も連勝。話題性だけでなく、その実力にも注目される中で臨んだきさらぎ賞(G3)だったが、単勝1.2倍という圧倒的な支持に応えるかのような快勝。勝ち時計の1分46秒9は、レースレコードともなった。

 「完璧なレースを見せてくれました。少頭数(9頭立て)のレースとなりましたが、競馬もしやすかったのか、どこも課題らしい課題が見あたらなかったですし、大外枠からでもスムーズに流れに乗れて、自分の競馬を見せてくれたと思います」とは、育成を手がけたノーザンファーム空港牧場の犬伏健太調教主任。サトノダイヤモンドの高い能力を開花させた立役者と言えるが、それだけに育成時は様々なことに気を使ってきた。

 「フットワークが大きくて乗り味も素晴らしいと、能力の高さを感じさせながらも、ディープインパクト産駒にありがちな、気持ちが前向きになる特徴も見受けられました。なので、まずは心身共に成長させようと考え、時間をかけながら調教を進めていくことにしました」(犬伏調教主任)

 その昔、サンデーサイレンス産駒が全盛期だった頃には、「クラシックまでの逆算ローテーション」として、「王道の秋デビュー」という言葉が用いられたことがある。結果として、心身共に成長が伴ったサトノダイヤモンドは、11月のメイクデビュー京都でデビューしているが、ここにロイカバードも出走しているのは、まさに「クラシックを逆算」した場合、この芝2000mという条件が2頭にはベストだったのだろう。

 昨年末以来のレースとなったこのきさらぎ賞(G3)。パドックを見た犬伏調教主任は、その姿に大人びた印象を持ったという。

 「大人びているだけでなく、いい雰囲気も感じられました。牧場にいた頃よりも遙かに成長を遂げていたとは思っていましたが、レース内容まで大人びているというのか、完成度の高さには驚かされました」(犬伏調教主任)

 賞金面でのクラシック出走を手中におさめ、この後は皐月賞(G1)に直行とのプランが上がったサトノダイヤモンド。同じ里見治オーナーの管理馬、そして犬伏調教主任が手がけた馬では、昨年の皐月賞(G1)で1番人気となったサトノクラウン、そして日本ダービー(G1)で2着となったサトノラーゼンもいる。

 「牧場としても里見オーナーには大変にお世話になっています。その意味でも昨年のクラシックは恩返しができるのではと思っていただけに、今年こそとの思いは強いです。ただ、サトノダイヤモンドはあれだけのレースをしながらでも、まだまだ底を見せない馬ですし、クラシックだけでなく、歴史的な名馬になるのではとも期待をしてしまいますね」(犬伏調教主任)

 皐月賞(G1)まで約2か月。そのパドックで我々はきさらぎ賞(G3)より遙かに成長したサトノダイヤモンドの姿に驚愕し、そして、より完成度を増したレース内容に圧倒されるのかもしれない。