重賞ウィナーレポート

2015年07月24日 兵庫サマークイーン賞(GDJ) 

2015年07月24日 園田競馬場 晴 重 ダ 1700m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:エーシンサルサ

プロフィール

生年月日
2010年04月27日 05歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:33戦13勝
総収得賞金
33,223,000円
サウスヴィグラス(USA)
母 (母父)
サクラメントガール(USA)  by  Devil His Due(USA)
馬主
平井 克彦
生産者
築紫 洋 (三石)
調教師
橋本 忠男
騎手
木村 健
  • エーシンサルサの母サクラメントガール(右)と今春生まれた当歳馬(左)
    エーシンサルサの母サクラメントガール(右)と今春生まれた当歳馬(左)
  • エーシンサルサの半弟(牡1歳、父エイシンアポロン)
    エーシンサルサの半弟(牡1歳、父エイシンアポロン)
  • エーシンサルサの半妹(牝当歳、父ヴァーミリアン)
    エーシンサルサの半妹(牝当歳、父ヴァーミリアン)
  • 築紫牧場の放牧地
    築紫牧場の放牧地
  • 築紫牧場の看板
    築紫牧場の看板

 『グランダム・ジャパン2015』古馬シーズンの第3戦「兵庫サマークイーン賞(園田)」は、圧倒的1番人気のピッチシフターが大きく出遅れる波乱の幕開け。逆に好スタートを決めた2番人気のエーシンサルサが終始楽な手応えで2番手を追走し、直線で力強く抜け出して優勝。昨年につづき、同レース2連覇を成し遂げた。

 エーシンサルサの生産者は、新ひだか町三石の築紫洋さん。牧場の歴史や同馬の幼少期に関する話しは昨年の読売レディス杯を制した際にレポート(https://uma-furusato.com/winner_info/detail/_id_77839)したので、今回は母サクラメントガールとエーシンサルサの弟妹について、息子の和輝さんにお話しを伺ってきた。

 「サルサが生まれた頃は、まだ高校生だったんですよ」と話す築紫和輝さんは、現在21歳。高校卒業後、近隣の育成牧場や生産牧場で修行を積み、2年前に実家へ戻ってご両親と共に牧場を盛り立てている。

 エーシンサルサのレースは、毎回気にしてテレビ観戦しているそうだ。「木村健騎手がレース後のインタビューで“ちゃんとゲートを出れば負けない”といつも言っているので、今回もスタートだけを気にしてました。ゲートも良かったですし、いい位置につけましたので、安心してレースを見守ることができました」とレースを振り返る。「サルサのレースぶりを見ていると、スピードというよりも、大きなストライドから繰り出すパワーで押し切っている印象が強いですね」と、その強さの秘訣を分析する。

 牧場には現在、エーシンサルサの半弟(牡1歳、父エイシンアポロン)と半妹(牝当歳、父ヴァーミリアン)が元気に育っている。「サルサも500kgを超える大きな馬ですが、弟妹たちもみんな大きな馬体で生まれてくるので、お産のときが毎回大変なんですよ。今年生まれた牝馬も大きくて、しかも同じ時間にもう1頭産気づいたので、てんやわんやでした(笑)」と今春生まれた当歳馬を紹介。とても人懐っこい性格で、カメラを構えると興味を示して近くに寄ってくる。

 「1歳も当歳も母に似て気は強いのですが、馬体は素晴らしいですね。うちにいる同期の馬とは比べものにならないほど、太い骨格を持ち合わせています。2歳にも父エンパイアメーカーの牡馬がいるのですが、デビューが待ち遠しいです」と弟妹たちに期待を膨らませる和輝さん。今年はエスポワールシチーを交配し、無事に受胎したそうだ。「ヴァーミリアンもエスポワールシチーもダート競馬の一時代を築いた名馬ですから、本当に将来が楽しみです」と母仔の姿を見つめる。

 昨年はグランダム・ジャパン古馬シーズンの指定レースを早々と2勝し、途中まではポイント争いを独走していたエーシンサルサ。脚元に不安を発症してしまい、大事をとって夏以降は休養を余儀なくされたが、「今年こそ」の思いは強いことだろう。「輸送があまり得意ではないようなので、どうしても地元戦中心になっていますが、昨年届かなかったグランダム・ジャパンのタイトルが獲れるといいですね。また、中央の一流馬たちと走ってどれぐらいやれるかも見てみたいです。JBCレディスクラシック(Jpn1)などの大きなレースでサルサの走る姿を見られたら最高でしょうね」と夢を語る。今春に復帰し、再び連勝街道を走り出したエーシンサルサ。この猛暑が収まる頃、若き生産者へビッグニュースが届けられることを願いたい。