重賞ウイナーレポート

2015年04月21日 東海クイーンC(GDJ)

2015年04月21日 名古屋競馬場 晴 不良 ダ 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:トーコーヴィーナス

プロフィール

生年月日
2012年02月28日 03歳
性別/毛色
牝/栗毛
戦績
国内:12戦9勝
総収得賞金
61,626,000円
クロフネ(USA)
母 (母父)
ホーネットピアス by サンデーサイレンス(USA)
馬主
森田 藤治
生産者
坂東牧場 (平取)
調教師
吉行 龍穂
騎手
田中 学
  • “ビービー”の冠でお馴染みの勝負服をあしらった坂東牧場の看板
    “ビービー”の冠でお馴染みの勝負服をあしらった坂東牧場の看板
  • 風情のある牧場エントランス
    風情のある牧場エントランス
  • 坂東牧場の屋内ダートコース
    坂東牧場の屋内ダートコース
  • 坂東牧場の事務所
    坂東牧場の事務所

 『グランダム・ジャパン2015』3歳シーズンの第4戦「東海クイーンカップ(名古屋)」&第7戦の「のじぎく賞(園田)」を、トーコーヴィーナスが圧倒的人気に応えて優勝。昨年はGDJ2歳シーズンの開幕戦「園田プリンセスカップ」に勝利しながらも別路線を歩んだが、今年は順調にポイントを加算してGDJ3歳女王の座へ突き進んでいる。

 トーコーヴィーナスの生産は、平取町の坂東牧場。喜びの声を伺いに牧場を訪問したのは「のじぎく賞」の結果が出る前だったが、スタッフとともに牧場事務所のテレビで「東海クイーンカップ」を観戦していたという荒木一仁マネージャーは、「印象に残るような強い勝ち方だったと思います。1.1倍という人気が示すとおり、このメンバーでは力が違う感じでしたね。このまま女王への道を突き進んでほしいです」と笑顔でレースを振り返った。

 坂東牧場は1950年創業と、日高でも有数の歴史を誇る牧場だ。早くから育成分野の重要性に着目し、1970年代の初頭に生産牧場から育成牧場へと転換。現在では日高町福満の本場を含め、5つの牧場で生産、中間育成、後期育成を分担して行っている。総面積180ヘクタールと広大な敷地の中に、屋根付きの1000mダートコースと840mの坂路コース、ウォーキングマシン7基などを備える総合牧場だ。生産馬としては、2009年のスプリンダーズS(G1)と2010年の高松宮記念(G1)でいずれもハナ差の2着だったビービーガルダンや、2007年の毎日王冠(G2)優勝馬チョウサン、2013年のラジオNIKKEI賞(G3)優勝馬ケイアイチョウサンなどを送り出してきた。

 トーコーヴィーナスの母ホーネットピアスは、1997年の桜花賞(G1)3着馬。7歳で繁殖入りし、18歳のときに9番仔としてトーコーヴィーナスを産んでいる。「ホーネットピアスはサンデーサイレンスの直仔で血統も良く、自身もG1で3着したほどの活躍馬ですから、どんな仔を産んでくれるのか楽しみにしていました。生まれてきた牝馬は馬体のバランスが良くて脚元に不安もなく、なによりも血統馬らしい雰囲気がありました」と、トーコーヴィーナスが生まれた当時の印象を話してくれた。

 牧場時代のトーコーヴィーナスについては、「ひとことで言えば、頭の良い馬。人間とコミュニケーションがとれる馬でした。せり馴致のときも私たちの手を煩わせることなく、物覚えもよかったです」と振り返る。順調に成長したトーコーヴィーナスは、1歳時にセレクトセールへ上場されて森田藤治オーナーと巡り会った。その後、ノーザンファームへ移動し、本格的な育成を終えて2歳夏に園田競馬場でデビュー。ここまで13戦して10勝、2着2回と、期待に違わぬ成績を収めている。「こうしてきっちり結果を出してくれて嬉しいですね」と、荒木さんもほっとした表情を浮かべる。

 いろいろな生産牧場から、さまざまなタイミングで馬を預かることが多い坂東牧場。そうして得てきた数々の経験を取り入れながら、強い馬づくりを目指してきた。「勝ってくれることはもちろんですが、早い時期にデビューして、丈夫にレース数をこなしてくれる馬を多く送り出したいと思っています。自分たちが大切にしている当歳時からの運動量の確保など、見えない部分が形になってくれているなら嬉しいですね」と声を弾ませた。

 「グランダム・ジャパンシリーズは、牝馬の流通促進と同時に、ファンの方々も馬のローテーションを意識してくれる素晴らしい企画だと思います。もっと多くの人に競馬へ興味を持ってもらいたいですし、トーコーヴィーナスが総合優勝してその一翼を担ってくれたら本当に嬉しいですね」と愛馬にエールを送る荒木さん。その馬名「ヴィーナス」は、ローマ神話に出てくる“美と恋の女神”の名であるとともに、天文的には“金星”を指すそうだ。2位以下に大差をつけて迎えることになるGDJ3歳シーズン最終戦「関東オークス(Jpn2)」で金星が獲れるよう、その走りを見守っていきたい。