重賞ウイナーレポート

2015年04月12日 ル・プランタン賞(GDJ)

2015年04月12日 佐賀競馬場 曇 重 ダ 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ユズチャン

プロフィール

生年月日
2012年04月22日 03歳
性別/毛色
牝/栗毛
戦績
国内:6戦4勝
総収得賞金
5,319,000円
カネヒキリ
母 (母父)
セイリングシップ by クロフネ(USA)
馬主
津田 浩一
生産者
三木田牧場 (静内)
調教師
東 眞市
騎手
山口 勲
  • ユズチャンの母セイリングシップ(12歳)
    ユズチャンの母セイリングシップ(12歳)
  • .母セイリングシップは、お腹に父カネヒキリの産駒(ユズチャン)を宿した状態で三木田牧場へやってきた(写真提供:三木田牧場)
    .母セイリングシップは、お腹に父カネヒキリの産駒(ユズチャン)を宿した状態で三木田牧場へやってきた(写真提供:三木田牧場)
  • ユズチャンの幼少期(写真提供:三木田牧場)
    ユズチャンの幼少期(写真提供:三木田牧場)
  • 生まれた時から健康優良児だったユズチャンは、広い放牧地で健やかに育っていった(写真提供:三木田牧場)
    生まれた時から健康優良児だったユズチャンは、広い放牧地で健やかに育っていった(写真提供:三木田牧場)
  • 三木田牧場の看板
    三木田牧場の看板

 佐賀競馬に春を告げるル・プランタン賞は、「グランダム・ジャパン2015」3歳シーズンの第3戦。同シーズンは計8戦で行われるロングランシリーズとはいえ、上位進出を狙う西日本所属馬にとっては、ここでしっかりとポイントを稼いでおきたいところ。今年は地元佐賀競馬所属のユズチャンが、圧倒的人気に応えて逃げ切り勝ち。全国交流競走となった2010年以降、初の地元馬による優勝となり、GDJポイント争いでも暫定トップに立った。

 ユズチャンを生産したのは、新ひだか町豊畑の三木田牧場。創業は1962年というから、50年以上の歴史を持つ老舗牧場だ。その歴史の中で、1980年の札幌記念優勝馬マークリシルバーや、1989年の小倉記念(G3)を勝ったダンツミラクル、1991年のダービー卿チャレンジトロフィー(G3)の覇者ナイスパーワー、2001年の京都ハイジャンプ(JG2)優勝馬アイディンサマーなどの活躍馬を送り出してきた。

 現在は約10ヘクタールの土地に繁殖牝馬は9頭。3代目当主となる三木田尚大さん(42)と先代の頼嗣さん父子が力をあわせ、強く丈夫な馬づくりに励んでいる。ユズチャンは、尚大さんが代表となって4世代目の産駒。尚大さんの代としては、初の重賞制覇となった。

 「出産、種付けシーズンでもあり、レースはインターネットで見ていました。レースの前は勝って当たり前のような評価をいただいていましたが、ゴールした瞬間は嬉しかったですし、責任を果たせたという気持ちになりました。4コーナーをまわったときに差が詰まってこなかったので、その時点で何とかなるかなという思いがありました」と、ほっとしたような表情でレースを振り返る。

 「ユズチャンの母セイリングシップは、津田浩一オーナーからお預かりしている繁殖牝馬です。ユズチャンを受胎している時に繁殖馬セールで購入し、当牧場に預けていただきました。良い繁殖牝馬を預けていただいたことに感謝します」と笑顔を広げる。津田オーナーとの出会いは、2010年のセレクションセール。牧場を引き継いだ尚大さんにとっての初年度産駒を購入してもらったのがきっかけだったという。牧場にとって縁の深いマークリシルバーと同ファミリー出身で、クロフネ産駒の牡馬。その馬はオゼキングと名付けられ、南関東の優駿スプリントでも3着と健闘した。偶然かもしれないが、津田オーナーが繁殖馬セールでセイリングシップを買い求めた理由のひとつに、オゼキングと同じクロフネ産駒ということがあったのかもしれない。「そういったことも含めまして、いろいろな部分で縁を感じますし、繁殖牝馬を預けていただいた以上は期待に応えたいという思いがありました。今回の勝利は格別な思いがあります」と勝利の味を噛みしめる。

 そんなユズチャンは、生まれたときから健康優良児だったという。「獣医師に診てもらったという記憶はほとんどありません。素直な性格で四肢も健康でしたから、早い時期から広い放牧地で運動させることができました。印象に残っているのは顔立ちがきれいで、いわゆるアイドル顔だったということ。その頃から、アイドルになりえるような要素を持っていたのかもしれません」と記憶の糸をたどる。

 ユズチャンの世代は、牡馬が5頭で、牝馬が3頭。うち6頭がJRAでデビューし、新馬、500万下特別勝ちのヴィクタープライムを含めた3頭が勝ち上がり、5頭が掲示板を確保している。「JRAからデビューした牝馬2頭と佐賀デビューのユズチャン、牝馬はすべて勝ち上がってくれました。何が要因かと聞かれると困るのですが、この世代は全体的に健康だったと記憶しています」と話す尚大さん。

 「すべての生産馬を無事に競馬場へ送り届けたいという思いで馬と接しています」と生産者としての目標を掲げ、「ユズチャンが大きなタイトルとともに、牧場へ戻ってくる日を楽しみにしています」と夢を膨らませている。