重賞ウイナーレポート

2020年10月17日 アイルランドT府中牝馬S G2

2020年10月17日 東京競馬場 雨 重 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:サラキア

プロフィール

生年月日
2015年02月05日 05歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:18戦4勝
総収得賞金
229,715,000円
ディープインパクト
母 (母父)
サロミナ(GER) by Lomitas(GB)
馬主
有限会社シルク
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
池添 学
騎手
北村 友一
  • アーモンドアイも岡厩舎の育成馬となる
    アーモンドアイも岡厩舎の育成馬となる
  • 紅葉も更に進んできた
    紅葉も更に進んできた

 馬主が(有)シルクで、ノーザンファーム生産の5歳牝馬。しかも育成先はノーザンファーム早来の岡厩舎であるサラキアであるが、これは天皇賞(秋)(G1)を制し、JRA新記録となる芝G1 8勝をあげたアーモンドアイとも一緒となる。

 「あの世代の育成馬では、アーモンドアイよりも高い評価をしていたのがサラキアでした。馴致を始めた頃はハミを付けるのを嫌がったり、かっとしやすい性格をしていましたが、コースに出てみるとディープインパクト産駒らしい、切れのある動きを見せていました」と話すのは、2頭の騎乗育成を手がけた岡真治厩舎長。母のサロミナはドイツ産馬であり、現役時は独オークス(G1)とハンブルク牝馬賞(G3)を優勝。この府中牝馬S(G2)の前に行われた毎日王冠(G2)を、半弟となるサリオスが勝利しており、2週連続で重賞馬の母となった。

 父と母から優れた能力を伝えられたサラキアではあったが、ゲート試験の合格に時間を要したことでデビュー時期が遅れていく。また、デビュー戦では勝利を収めたとはいえ、もスタートのタイミングが合わず、後方からのレースを余儀なくされるなど、その能力を発揮できないレースが続いていく。

 「すぐに重賞を勝てる馬と思っていたので、その辺は悔しい思いもありました。ただ、レースを使っていく中でゲートも良くなってきましたし、いつかチャンスがあると思っていました」

 3歳時のローズS(G2)で2着となり、秋華賞(G1)でもアーモンドアイとは0秒5差の4着に入着。4歳時のエプソムC(G3)でも2着に入着と惜しいレースが続いていたサラキアだったが、5歳時の小倉日経オープンで3歳の8月以来となる勝利をあげて、府中牝馬S(G2)へと挑んでいった。

 このレースには2018年の阪神JF(G1)の勝ち馬ダノンファンタジーと、2019年のオークス馬であるラヴズオンリーユーと、2頭のG1馬が出走。またトロワゼトワル、フェアリーポルカは重賞ウイナーであり、シゲルピンクダイヤも2019年の桜花賞(G1)で2着と、8頭立てのレースながらハイレベルな出走馬が揃った。

 「前走よりメンバーこそ強くなりましたが、その分、競馬も流れていくことで、サラキアに展開が向くのではと思っていました」

 7番人気ながら、勝っても不思議で無いと思っていたとも話す岡厩舎長であったが、その予想通りに1000m通過が59秒6と重馬場にしては速いラップを刻んだレースは、最後の直線でサラキアが一気に抜け出していく。

 「以前は前目でレースをしていましたが、脚を溜めて切れ味を生かせるようになったことや、その脚質を鞍上の北村友一騎手が掴んでいてくれたのだと思います。ただ、他の馬が伸び悩んでいた中で、重馬場をすいすいと進んでいく姿は意外でした」と話す岡厩舎長の口調は、嬉しさもあるのか非常になめらかだった。次走はエリザベス女王杯(G1)への出走を予定。昨年は6着に敗れているものの、今回のようなレースができたのなら、悲願のG1制覇も決して夢では無くなる。

 「アーモンドアイとはG1の数こそ違いますが、サラキアにも大きなタイトルを取ってもらいたいです。2頭ともクラブの規定で来年に引退が決まっていますが、それまでにもう一度、同じレースで走ってくれないかなとの思いもあります」と岡厩舎長は再び笑顔を見せた。