2020年06月11日 兵庫ダービー(DS2020)
優勝馬:ディアタイザン
プロフィール
- 生年月日
- 2017年03月31日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:12戦6勝
- 総収得賞金
- 47,179,000円
- 母 (母父)
- フライトステージ by ネオユニヴァース
- 馬主
- 平野 照子
- 生産者
- 山岡ファーム (新冠)
- 調教師
- 碇 清次郎
- 騎手
- 杉浦 健太
『ダービーシリーズ2020』の第6戦「兵庫ダービー(園田)」は、7番人気の伏兵ディアタイザンが逃げ切り勝ち。3~4コーナーで1番人気ステラモナークに並ばれたものの、直線で二の脚を使って再び突き放し、半馬身の差を保ってゴールイン。初重賞勝利をダービーの大舞台で決めた。
ディアタイザンの生まれ故郷は、新冠町西泊津の山岡ファーム。1960年に創業し、これまでに1989年の阪神大賞典(G2)を制したナムラモノノフなどの活躍馬を生産。またディアタイザンと同じく兵庫競馬に所属し、重賞7勝を挙げて現役馬として活躍中のマイタイザン(牡7歳)も同牧場の生産馬である。
「オーナーとはマイタイザンを1歳時に買っていただいてからのお付き合いです。ディアタイザンも1歳時に実馬を見てもらい、馬体を気に入っていただきました」と話すのは、生産者の山岡和裕さん。「ディアタイザンは幼少期から体つきが良く、気性も素直な方でした。1歳秋まで放牧地で元気に育ち、そのあと育成のため静内のヤマダステーブルに移動しました」とディアタイザンが牧場で過ごした時期を振り返る。
レースは、牧場のテレビで観戦していたそうだ。「強いステラモナークがいましたからね。無事に走ってきてくれればとだけ願って応援していました。最後まで粘り切って先頭でゴールした瞬間は、驚きと喜びでいっぱいでした。ディアタイザンを管理する碇清次郎調教師とは親しいのですが、彼もダービーを獲れて本当に喜んでいました」と歓喜のゴールシーンを振り返ってくれた。
ディアタイザンは、2017年にサウスヴィグラス産駒として生まれた96頭のうちの1頭。同期の同種牡馬産駒には、昨年11月の兵庫ジュニアグランプリ(Jpn2)を制したテイエムサウスダン(牡3歳)や、今年6月の優駿スプリント(大井)を逃げ切ったカプリフレイバー(牡3歳)、南関東牝馬クラシック戦線で活躍したルイドフィーネ(牝3歳)などがいて、今年もサウスヴィグラスは地方リーディングサイアーのトップを独走中だ(2020年7月20日現在)。「ディアタイザンはサウスヴィグラス産駒らしい先行力が武器ですね。1870mに距離が延びても粘り切れたのは、母系の影響かもしれません」と話す。
母フライトステージは、山岡ファームのすぐ近所に牧場を構えるハクツ牧場で5頭の産駒を産んでいる。うち3頭は、父がディアタイザンと同じサウスヴィグラスで全兄姉。1歳上の全姉アヴニールレーヴ(牝4歳)は兵庫競馬に所属する現役馬で、2歳時には兵庫若駒賞(園田)2着、遠征したラブミーチャン記念(笠松)2着と重賞戦線で活躍。そしてディアタイザンがダービー馬となった約30分後の園田11レース(ユメノアトサキ号メモリアル記念)を逃げ切って通算8勝目を挙げ、姉弟で2レース連続勝利という離れ業をやってのけた。
ディアタイザンの2歳下には、父アジアエクスプレスの牡馬がいる。現在は新ひだか町静内の小國ステーブルで育成が施されており、8月24日に開催されるセレクションセールに上場する予定だ。「現1歳の牡馬はディアタイザンとタイプが違いますが、馬体も兄の1歳時より大きいですし、将来に期待が高まります。また兵庫ダービー馬の半弟として、市場でどんな評価をしてもらえるかも楽しみです」と1歳馬の未来に夢を膨らませる。
「ディアタイザンはダービー馬の勲章を背負って走っていくので、今後の一戦一戦で真価が問われることになりますね。頑張ってほしいと思います」とエールを送る山岡さん。これからも勝利を積み重ね、将来は名種牡馬サウスヴィグラスの後継として名乗りを挙げるような存在に成長していってほしい。