重賞ウイナーレポート

2020年05月03日 天皇賞(春) G1

2020年05月03日 京都競馬場 曇 良 芝 3200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:フィエールマン

プロフィール

生年月日
2015年01月20日 05歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:9戦5勝
総収得賞金
573,059,000円
ディープインパクト
母 (母父)
リュヌドール(FR) by Green Tune(USA)
馬主
(有) サンデーレーシング
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
手塚 貴久
騎手
C.ルメール

 勝ち抜き制が無くなった81年以降、昨年までに天皇賞(春)(G1)で連覇を果たした馬は、メジロマックイーン(91年、92年)、テイエムオペラオー(00年、01年)、フェノーメノ(13年、14年)、キタサンブラック(16年、17年)の4頭。そして今年、天皇賞(春)(G1)で連覇を果たした5頭目の馬として、フィエールマンがその名を刻みこんだ。

 「レース前に手塚先生と話をさせていただく機会がありましたが、中間の状態もいいと聞いていましたし、実際に調教の動きなどを見ても、その評価通りの動きができていると思いました」とはノーザンファーム空港の高見優也厩舎長。しかしながら、前走の有馬記念(G1)からは、なんと132日ぶりの出走。しかも8枠14番からの出走となったこのレースだが、過去10年で8枠からは誕生しておらず、2着も2回、3着も1回だけ。外枠の馬が苦戦を強いられていた事実は、データからも明らかだった。

 「枠や休み明けはそれほど気にしてはいませんでした。有馬記念(G1)からのレースとはなりましたが、手塚先生や厩舎の皆さんだけでなく、調整をしてくれていたノーザンファーム天栄のスタッフが、万全の状態でレースに臨ませてくれたと思います」

 昨年は高見厩舎長が管理をする育成馬が、フィエールマンを含めて3頭(グローリーヴェイズ、ユーキャンスマイル)が出走。フィエールマンが1着、2着にグローリーヴェイズが入ったことで、育成馬のワンツーフィニッシュを果たしている。今年もフィエールマンに加え、阪神大賞典(G2)で重賞3勝目をあげたユーキャンスマイルが、昨年のリベンジを期するべく出走してきた。

 「やはりG1の舞台に、複数頭の育成馬を送り出せたことは励みにもなります。昨年と同じく、レース前はできることならワンツーフィニッシュしてくれればと思っていました」

 ダンビュライトがハナを切ったレースは、1周目のスタンド前からキセキが先頭に踊り出るなど、めまぐるしく展開が変わっていく。しかしながらフィエールマンは、前方で起こっている激流に巻き込まれることなく、後方に待機しながら勝負所を探っていく。

 最後の直線、先行争いの中で勝ち残ったスティッフェリオが先頭に躍り出る。内をついたのはユーキャンスマイル。そしてフィエールマンは外からスティッフェリオを捕らえにかかる。しかしながら、なかなかその差は縮まっていかない。それでも3200m分のハナ差だけ、他の13頭より先にゴール板を駆け抜けていたのはフィエールマンだった。

 「最後の直線では、正直、届かないのではないかとも思っていました。それでもきっちりと差しきるあたりが、この馬の強さなのだと思います」

 実は高見厩舎長が管理するC1厩舎では、過去にフェノーメノの育成も行っていた。

 「育成馬ではフェノーメノに続く天皇賞(春)(G1)連覇となったことも嬉しいです。フェノーメノは怪我もあって、天皇賞(春)(G1)3連覇とはなりませんでしたが、フィエールマンはその可能性を持った馬だと思っています」

 その偉業の前に挑むのは、先日、出走を表明した宝塚記念(G1)となる。

 「スタミナと切れを両立できていることが、長距離適性の高さとして現れているのでしょうし、元々、中距離でも好走してきた馬だけに、この条件を苦にすることは無いと思います」と高見厩舎長。過去10年でこの2つのレースを勝利した馬は1頭もいないだけでなく、グレード制が導入されてからも、タマモクロス、イナリワン、ビワハヤヒデ、テイエムオペラオー、ヒシミラクル、ディープインパクトと6頭だけ。しかしながら、史上5頭目の天皇賞(春)(G1)連覇を果たしたフィエールマンなら、「史上7頭目」の快挙も、やすやすと果たしてくれそうな気がしてならない。