重賞ウィナーレポート

2020年04月18日 アーリントンC G3

2020年04月18日 阪神競馬場 晴 稍重 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:タイセイビジョン

プロフィール

生年月日
2017年02月26日 03歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:5戦3勝
総収得賞金
226,930,000円
タートルボウル(IRE)
母 (母父)
ソムニア  by  スペシャルウィーク
馬主
田中 成奉
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
西村 真幸
騎手
石橋 脩
  • この3歳世代では3頭目の重賞勝ち馬となる
    この3歳世代では3頭目の重賞勝ち馬となる
  • 新型コロナウイルス感染症の影響もあり、牧場を訪ねてくる人の数はめっきり減った
    新型コロナウイルス感染症の影響もあり、牧場を訪ねてくる人の数はめっきり減った

 毎週のように重賞を勝利しているノーザンファームの生産馬。その中でも2週連続で育成馬が重賞勝利を果たしたのが、ノーザンファーム空港のS-1厩舎である。

 先週は育成馬のルフトシュトロームがニュージーランドT(G2)を優勝。アーリントンC(G3)は昨年の京王杯2歳S(G2)の覇者で、朝日杯FS(G1)でも2着となったタイセイビジョンが、4か月の休み明けを感じさせないような強いレース内容で重賞2勝目をあげた。

 「朝日杯FS(G1)以来のレースとなりましたが、馬体重は増えていて欲しいと思っていただけに、プラス10kgは想定した通りでした」とはS-1厩舎の足立稔厩舎長。育成時から動きの良さは際だっていたものの、調教でも一生懸命に走るがばかりに、身体の線が細くなりやすい傾向が見られていたという。

 「それでも乗り出せばすぐに仕上がるのは、函館2歳S(G3)の後に牧場で調整していた頃にも分かっていましたし、休み明けは全く気にならなかったです」

 「調整期間も常にレポートに目を通したり、タブレットを通して送られてくる調教動画にも目をこらしていました」と話す足立厩舎長。だが、追いきりではいつものような弾ける動きが見られず、実際にレースでもどこか身体を持て余しているようにも見受けられたと話す。

 「一瞬、大丈夫かな?とも思いましたが、ジョッキーが上手く乗ってくれました。直線の脚は鮮やかでしたし、改めて強い馬だと思いました」

 まさにNHKマイルC(G1)に向けての視界良好といった勝利となったが、このレースにはニュージーランドT(G2)を制したルフトシュトロームも出走を予定。また、昨年のデイリー杯2歳S(G2)を制したレッドベルジュールもS-1厩舎の育成馬となる。

 「この世代は20頭ほど管理させてもらいましたが、その中から3頭もの重賞馬が誕生したことは信じられない思いがしています。無事に厩舎へと管理馬を送り出すべく、スタッフと共に取り組んで来たことが、この活躍に繋がっているのならば嬉しいです」

 育成馬2頭で挑むNHKマイルC(G1)だが、足立厩舎長が厩舎を任されるようになってから5年、まだS-1厩舎出身のG1馬は誕生していない。

 「常にG1馬を出したいという気持ちはありましたし、このNHKマイルC(G1)は最大のチャンスだとも思います。ルフトシュトロームも上り調子ですし、タイセイビジョンも一度レースを使われて、更に状態が上向きとなっているはず。去年は朝日杯FS(G1)で悔しい思いをしただけに、それを2頭には晴らしてもらいたいです」

 足立厩舎長にとって悲願のG1制覇の瞬間は、ひょっとしたら育成馬のワンツーフィニッシュとなっているのかもしれない。