重賞ウィナーレポート

2019年12月28日 ホープフルS G1

2019年12月28日 中山競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:コントレイル

プロフィール

生年月日
2017年04月01日 02歳
性別/毛色
牡/青鹿毛
戦績
国内:3戦3勝
総収得賞金
1,195,294,000円
ディープインパクト
母 (母父)
ロードクロサイト(USA)  by  Unbridled's Song(USA)
馬主
前田 晋二
生産者
株式会社 ノースヒルズ (新冠)
調教師
矢作 芳人
騎手
福永 祐一

 中山競馬場に場所を移して6回目。G1競走に昇格して3年目だが、すでに勝ち馬の中からダービー馬、そして皐月賞馬を送り出しているホープフルS(G1)。今回は13頭によって行われ、新冠町ノースヒルズ生産で1番人気コントレイルが好位追走からあっさりと抜け出して先頭ゴールイン。

 生産者ノースヒルズにとっては、東京スポーツ杯2歳S(G3)以来の重賞勝利で2019年5勝目(ダートグレード含む)。好調2歳馬はビアンフェ(函館2歳S(G3))キメラヴェリテ(北海道2歳優駿(Jpn3))に続く4つめの重賞タイトルとなった。

 同馬は父ディープインパクト、母ロードクロサイト(母の父アンブライドルズソング)という血統。父はいわずと知れた名種牡馬で、祖母は2005年米国BCジュヴェナイルフィリーズ(G1)の優勝馬。同年の米国2歳牝馬チャンピオンにも選出されている名血だ。

 同馬を育成した大山ヒルズの齋藤慎マネージャーは牧場内のテレビを通して声援を送っていたそうだ。「もともと血統的にも期待の大きな馬でしたし、育成段階から光るものを感じていた馬です。こうして期待どおりの成績を示してくれているのは本当に嬉しいです」と話し「今回も、この馬の最大の長所でもある反応の良さを示すことができたレースだったと思います。最後の直線では馬場の悪いところを突き抜けてくれましたし、今後、レースの選択肢を広げるという意味で内容のあるレースだったと思います」と嬉しそうに話してくれた。

 「東京スポーツ杯2歳S(G3)のあとはこちらに戻ってケアとリフレッシュを行っていました。レースではあれだけのパフォーマンスを示してくれる馬ですが、牧場、とくに馬房では本当に大人しい馬。この馬くらいにオンオフの切り替えが上手な馬も珍しいという印象です」。

 ただし、レース後に矢作調教師が話していたように、決して順風満帆の育成時代というわけではなかったようだ。「同期の馬に比べて、成長がゆっくりでした。そのため、ほかの馬よりも本格的な乗り込みをスタートさせるのは遅かった馬です」。その英断が功を奏して、乗り始めてからは順調。9月にメイクデビュー阪神で初勝利。そのまま不敗でG1ウイナーへとのぼりつめた。

 「中期育成牧場ノースヒルズ清畠を使い出すようになった最初の世代ですが、やはり馬の基礎体力という意味では相当な効果があると思います。加えて、新しく導入したトレッドミルも調教メニューに幅を持たせてくれるという意味で大きいと思っています」。

 すでに大山ヒルズへと戻り、年末年始をすごしている。新聞報道などではトライアルを経ずに皐月賞(G1)へ向かうことになりそうとのことだが「どんなローテーションでも、それに応えてくれる馬だと思っています。まだ成長の余地を残していますので、先々が本当に楽しみです」とノースヒルズ生産馬として初の2歳G1優勝馬に期待を寄せている。