重賞ウイナーレポート

2019年11月02日 京王杯2歳S G2

2019年11月02日 東京競馬場 晴 良 芝 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:タイセイビジョン

プロフィール

生年月日
2017年02月26日 02歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:3戦2勝
総収得賞金
57,538,000円
タートルボウル(IRE)
母 (母父)
ソムニア by スペシャルウィーク
馬主
田中 成奉
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
西村 真幸
騎手
C.ルメール
  • 間もなくこの放牧地も白い雪で覆われる
    間もなくこの放牧地も白い雪で覆われる
  • 秋競馬での活躍が目立つ、S1厩舎の出身馬たち
    秋競馬での活躍が目立つ、S1厩舎の出身馬たち

 ノーザンファーム空港でS1厩舎の厩舎長を任せられている足立稔厩舎長は、現在、担当している牡馬の前には、牝馬の騎乗育成を行っていた時期もあった。

 その頃、思い出に残っていた馬がソムニアという牝馬だった。父はスペシャルウィーク、母はドリームスケイプ(母の父エルコンドルパサー)という血統背景を持つソムニアは、函館競馬場スタンドの工事もあって、札幌で行われた新馬戦を勝利すると、続く函館2歳S(Jpn3)でも3着に入着する。

 「この時の新馬戦は応援に行ってましたし、口取りにも参加させてもらいました。乗った時からいい馬だと思っていましたが、レースでも切れのある脚を見せていましたし、函館2歳S(Jpn3)は3着に敗れたとはいえ、いずれは重賞を勝てる馬になると思ったものです」

 だが、その後は怪我の影響もあったのか、以前のような切れの走りは影を潜め、500万下を勝ちきれずに引退。その後はノーザンファームで繁殖入りし、4頭目の産駒として誕生させたのが、父にタートルボウルを持つタイセイビジョンだった。

 その好馬体も評価される形で、セレクトセールの当歳セクションで1944万円(税込み)の評価を受けたタイセイビジョンは、その後のイヤリング厩舎でも期待の1頭として名前が挙がってくるようになる。

 「イヤリングのスタッフからは『馬体が見るからにしっかりとしていて、放牧地の動きもスピード感があると聞かされていました。ソムニアの仔ですし、是非とも自分の厩舎で手がけたいなと思っていただけに、ここに来たときは嬉しかったですね」

 実際にタイセイビジョンに跨がってみた足立厩舎長であったが、イヤリングのスタッフが言っていた通りの評価だっただけでなく、完成度の高さもあって、他の馬たちよりも一足早く、屋内坂路での調教も行うようになる。

 「こんな1歳馬に跨がったことが無かったと思えた程に、しっかりとしすぎてました。管理をしてくださっている西村先生はノーザンファーム空港で仕事をしていたこともあり、その頃からの仲なのですが、先生もタイセイビジョンに初めて跨がった時に、『この馬は凄いね』と話していた程です」

 その後の調教も順調に進み、2歳の6月のメイクデビュー阪神で初陣を飾ると、母も出走した函館2歳S(G3)では、ゲートで待たされた影響もあったのか、勝ったビアンフェに1馬身3/4差及ばず2着に敗退。その後は調整のためにS1厩舎へと戻ってきた。

 「あれだけ完成度が高く、しっかりしていた馬だけに、どれほどの成長力があるのかとの疑問もありました。それでも、毎日のように調教を任せていたスタッフからは、日ごとに『この馬、凄いです』との言葉が聞こえてきた時には、どれほどの馬になるのだろうかという期待ばかりが膨らんできました」

 一番人気の指示を集めた京王杯2歳S(G2)。このレースには函館2歳S(G3)で先着を許したビアンフェも出走していた。前向きな気持ちがリズムを損ねたのか、後方にポジションを下げることもあったが、最後の直線では上がり3ハロン33秒5という驚異的な末脚を使い、前を行くビアンフェを一気に交わしていく。驚くべきはその勝ち時計であり、1分20秒8は2歳のコースレコードともなった。

 「あの末脚にはソムニアの切れが出ているのかもしれません。西村先生と重賞勝利を分かちあえたことも嬉しかったですね」

 母ソムニアに重賞タイトルを授けたタイセイビジョンが次に狙うのは、その母、そして西村調教師にとっても初めてのG1タイトルとなる、朝日杯FS(G1)優勝だ。